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近代足尾銅山の採鉱技術の変遷に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K00253
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
研究機関宇都宮大学

研究代表者

青木 達也  宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 技術専門職員 (70970250)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード足尾銅山 / 坑内 / 採鉱法 / 通洞 / 主要坑道 / 竪坑 / 近代化 / 採掘法 / 鑿岩機 / 火薬類 / 手掘り
研究開始時の研究の概要

本研究は足尾銅山の採鉱技術の近代化について史料にあたり、知見を取り纏めようとする調査研究である。
古河機械金属が所蔵する一次史料や、明治から昭和初期にかけて足尾銅山に実習生を送っていた東京大学、大阪大学、九州大学、九州工業大学の各大学の学生が残した史料には、採鉱現場で展開された「採鉱(Mining)」の各作業を支える技術(通気や排水、運搬等)と、「手掘り」、「火薬類」、「鑿岩機」などを用いて「鉱床面の採掘(Stoping)」の技術を駆使する様子が克明に刻まれている。
これら史料を調査し、その技術の変遷について取り纏める。

研究実績の概要

2023(令和5)年度の調査では,近世の鉱山関連史料,既往の鉱山史研究,そして,古河機械金属所蔵の一次史料などの文献調査のほか,東京大学,京都大学,大阪大学,九州大学,及び九州工業大学のそれぞれの附属図書館が所蔵する足尾銅山の「実習報文」の調査を行い,東京大学では1894(明治27)年から1937(昭和12)年までの計27冊,京都大学では1905(明治38)年から1960(昭和35)年までの計53冊,大阪大学では1908(明治41)年から1927(昭和2)年までの計29冊,九州大学では1914(大正3)年から1967(昭和42)年までの計12冊,九州工業大学では1913(大正2)年から1961(昭和36)年までの計11冊の史料に向き合った.
これらの調査より,足尾銅山の採鉱技術が変化していく過程を追い,近代化を遂げる様子を知り得た.その結果,山師ら(坑夫たち)に日々の進捗との開発を委ねて,そして技術的には「手掘り」の技術に頼った「近世からの採鉱法」が,明治期を迎えてから,西洋式の制度や採鉱技術の導入により,山の下部から運搬および排水用の坑道(通洞)を掘り抜きつつ,鉱山全体に主要坑道となる「横坑」と「竪坑」を展開し,複数の鉱床を捉えて,「機械と爆薬」で掘り抜いていく「近代的な採鉱法」へと変化を遂げていく姿を捉えることができた.
この成果を年度末に取り纏めており,2024(令和6)年の6月に開催される公益社団法人土木学会第44回土木史研究発表会において,「足尾銅山の採鉱技術の近代化の視点‐近世から近代への歩み-」と題して日光市の職員と共に参加し,発表することになっている.
なお,本研究を進めるにあたり,東京大学,京都大学,大阪大学,九州大学,及び九州工業大学の附属図書館,古河機械金属株式会社,日光市教育委員会事務局文化財課の協力を得た.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

東京大学,京都大学,大阪大学,九州大学,及び九州工業大学のそれぞれの附属図書館,さらに,古河機械金属株式会社から史料調査に関して承諾を得られ,これに合わせて,日光市教育委員会事務局文化財課の調査および研究上の力添えも得られたため,当初の予定通り,年度末に調査結果を取り纏めて学会発表へと繋げることができているため.

今後の研究の推進方策

2023(令和5)年度では,近代化の視点として,「全山的な鉱源開発」,「主要運搬坑道の開発」,「それらを繋いだ横坑,竪坑,斜坑による展開」,「各鉱床での階段掘」があることを示し,そしてこれらを支えた,運搬や排水システム,各道具や種機械,動力,坑内の通信技術,測量技術,作業環境,支保や各種安全対策,そして人員管理などの部分も含め,近代化の視点として着目すべきものであると結論付けた.
2024(令和6)年度以降では,これらの視点からより詳細に示し得る内容を取り纏めていく予定である.また,近代化については足尾銅山に限らず全国的に進められたことであることから,文献調査の成果によっては,他鉱山の近代化と比較し,横断的な内容に踏み込むことも視野に入れている.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 足尾銅山の採鉱技術の近代化の視点 ―近世から近代への歩み―2024

    • 著者名/発表者名
      青木達也
    • 学会等名
      第44回土木史研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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