研究課題/領域番号 |
23K00261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 忠 慶應義塾大学, 医学部(日吉), 准教授 (90216359)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 19世紀 / プーシェ / ドワイエール / 乾燥耐性 / クマムシ / ワムシ / 自然発生説 / 蘇生 / 科学アカデミー |
研究開始時の研究の概要 |
パリ科学アカデミーにおける自然発生説論争(1859-1864)と同時期にプーシェが絡んだもう一つの論争(1859-1860)では微小な動物が示す極限的な乾燥状態(クリプトビオシス)からの「蘇生」が問題となったが、この論争は自然発生説論争の第一段階ともいえる。本研究では、自然発生説論争の初期様相…その発端からパストゥールが本格的に参戦するまで…を詳細に解析する。
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研究実績の概要 |
パリ科学アカデミーを舞台として勃発したプーシェ対パストゥールによる「自然発生説論争」(1859-1864)と同時期(1859-1860)にプーシェが絡んだもう一つの論争があった。その論争、プーシェ対ドワイエールによる「蘇生論争」では微小な動物が示す極限的な乾燥状態(現在の生物学用語ではクリプトビオシス)からの蘇生が問題となったが、これは自然発生説と密接に関連し、自然発生説論争の第一段階ともいえる。しかし、この初期の様相についての詳しい研究はこれまで行われてこなかった。本研究の目的は、自然発生説の初期様相についてできる限りの1次史料を収集し、その経緯を明らかにすることである。 自然発生説論争の発端はプーシェによりアカデミーに2つの論文が送られた1858年12月6日で、パストゥールが本格的に参戦するのは1859年2月半ば以降である。その間に蘇生論争が勃発し、加熱していった。本研究では当時のアカデミー報告とそれに関する報道資料(雑誌や新聞)を集めている。その結果、その経緯に関して非常に多くの報道記録が残されていることが明らかとなってきた。科学新聞や病院報のような形態の各紙が毎週のように論争の経緯を報道し、プーシェに批判的な科学アカデミーを支持する記事や、あるいはその反対にアカデミー当局を痛烈に批判する記事などさまざまな資料が集まりつつある。資料収集に伴い、それらのテキストの正確な電子化を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画で初年度にルーアン市立公文書館における一次史料調査を実施する想定であった。しかしながら、当該公文書館の利用可能日は週1回1名、火曜日午前中のみであり、残念ながら日程調整の不調により、そこでの調査は第2年次に持ち越しとなった。 進捗がやや遅れているとしたのは、その調査で見込まれた研究内容が遅延しているためである。その他の資料収集と読み込みは、おおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の夏にルーアンにおける調査を遂行する。すでに市立公文書館での一次史料調査を予約し、また、フランス国内におけるクマムシ等の生物試料採取の許可を得ている。 また、当年度においては、蘇生論争以前から論争の最初期、すなわち1859年2月までの経緯についての論文執筆を開始する。
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