研究課題/領域番号 |
23K00264
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
愼 蒼健 東京理科大学, 教養教育研究院葛飾キャンパス教養部, 教授 (50366431)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 医学史 / 科学史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、現時点で未完の、医学を学ぶために朝鮮半島から帝国日本各地へ移動した全朝鮮人医学生のリストを作成する。より具体的には、朝鮮人が日本に初めて医学生として留学した20世紀初頭から、北朝鮮「帰還事業」や日韓基本条約発効(1965年)の1960年代までを検討期間 とし、推定400名を超える日本「内地」の帝大、官立・公立・私立の大学・医専、戦時期 「臨時医学専門部」で学んだ全朝鮮人医学「留学生」と、推定180名を超える「内地」帝大・大学で医学博士を取得した朝鮮人を検討対象とする。
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研究実績の概要 |
本研究の<2023年度>の計画は、400名を超える全朝鮮人医学生のリスト作成作業を行うことであった。従来の先行研究(特に韓国・奇昌徳氏、日本・永島広紀氏ら)の漏れを発見、あるいは誤謬や曖昧さを正すため、北海道帝国大学医学部と東北帝国大学、さらに日本医科大学を中心に調査を行った。 北海道大学文書館では、予科医類と臨時附属医学専門部を含めて、新たに3名の入学者(うち1名は卒業)を発見した。さらに、停学や退学の書類を確認した。東北大学史料館では、「内地」帝国大学にてただ一人助教授となった人物の調査を行った。私立の日本医科大学予科に入学し、日本医大を卒業した愼重亮(日本名:山本重亮)が東京帝大医学部助手(物理療法)を経て、東北帝大医学部解剖学教室の助手、講師、助教授と昇任していく資料を発見、特定歴史公文書として申請し閲覧が許可された博士論文審査資料が大変有益な情報を与えてくれた。東北大学での資料発見により、<2025年度>の研究計画の一部を実行することができた。 今回の調査により、先行研究の網羅範囲の充実さを改めて確認すると同時に、帝国大学医学部にも一定の漏れがあり、さらに入学したものの卒業していない学生が一定数存在するため、「移動」という観点から彼らを捕捉する必要性を実感した。また、戦時期に設立された臨時附属医学専門部にも朝鮮人が入学していた事実を確認したので、積極的に調査の射程を医学専門部にまで拡大させていくことにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2023年度の研究計画の完遂だけではなく、2025年度に予定していた研究計画の一部にも手をつけることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
<2024年度前半>朝鮮人医学生の残りと180名を超える医学博士のリストを作成する。 <1>医学生リストは学校別に、次の項目が記録される。姓名、 創氏名、入学年、卒業年、出身高校、高卒年、出身中学、出身地、帰還年、卒業後キャリア。 <2>医学博士リストは学位授与機関別に、次の項 目が記録される。姓名、創氏名、出身学校、授与年月日、出身地、提出論文名、帰還年、取得後キャリア。 <2024年度>朝鮮人医学生が北朝鮮と韓国という南北分断国家の医学・医療的的基盤に与えた影響を明らかにする。 <1>ケース・スタディ1:崔應 錫(東京帝大医学部卒業・医学博士)と北朝鮮 <2>ケース・スタディ2:尹日善(京都帝大医学部卒業・医学博士)と韓国
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