研究課題
基盤研究(C)
ユークリッド『原論』に代表されるギリシャ数学文献は、現在でも学校で教えられる初等幾何のスタイルの起源であり、また現代に至るまで数学の根幹である「証明」という概念を確立した重要な著作群である。これらは一見すると限られた単語と定型的表現のみで書かれた無味乾燥な証明の羅列に見えるが、用いられる術語や語法には微妙なバリエーションがあり、それを検討することによって、原著者に遡る部分と後世の編集・追加部分を区別し、ギリシャ数学の発展をより精密に解明することが期待される。このために、代表的な文献について使用される術語や語法を特定し分類する作業を実施する。また頻出単語・語法をまとめた学習用語彙集を作成する。