2013年6月、HPVワクチンの勧奨接種は一時停止され、約8年の時を経て、2021年11月に解除された。本研究は、審議会においてHPVワクチンなどがいかに語られて勧奨接種の再開にいたったのかを、「境界作業(boundary work)」の視点から考察することを目的とする。審議会は経済/政治(公共政策)/科学などの各諸領域の様々な正しい主張が交差しせめぎあう場である。誰・何が、いかなるメディアにおいて、いかなる視点より、HPVワクチンなどにかんしてどのように語ったのか、そして接種のあり方をめぐっていかなる正当化を通して、勧奨接種の再開が図られたのかについて、調査・考察する。
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