研究課題
基盤研究(C)
世阿弥の発見者として知られる歴史地理学の泰斗吉田東伍の旧蔵書を保存する、新潟市秋葉区の吉田文庫の全蔵書の調査を完了させ、全資料をデジタル化して公開することを目指す。さらに、吉田東伍の校訂本文『能楽古典世阿弥十六部集』は、翻刻底本となった原本が関東大震災で焼失したため、翻刻本文が底本となっているような例が少なくない。また古写本はあるが本文的には良質とは言いがたく、吉田東伍の校訂本文が有力な対校本であるような例も複数存在する。これらについて、『能楽古典世阿弥十六部集』の校訂上の問題点を再検すると共に、世阿弥能楽論のより良質な校訂本文の作成も目指す。以上が本研究の概要である。