研究課題/領域番号 |
23K00284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 高岡法科大学 |
研究代表者 |
白石 佳和 高岡法科大学, 法学部, 准教授 (10845001)
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研究分担者 |
スエナガ エウニセ 愛知県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40908878)
岡田 浩樹 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (90299058)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 座の文学 / ブラジルハイカイ / 日系ハイク / 自然観 / 季語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、ブラジルのハイク・ハイカイ活動について、句会や結社活動を中心に調査を行い分析する研究である。ブラジルでは、日本移民の日本語ハイクとポルトガル語によるブラジルハイカイを中心に、季語を重視したハイクが広がっている。その大きな理由の一つに、句会を中心とした活動が挙げられる。 グループで自然観を共有することによって、有季ハイカイの創作が可能となった、その「座の文学」的活動に注目する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、(1)ブラジル調査(サンパウロ、アマゾン移住地)、(2)研究成果公開、を行なった。 (1)については、8月に研究チームでブラジルに行き、サンパウロとアマゾンのベレンとトメアスで、日系人の俳句結社(グループ)を中心に、現在の俳句活動の状況、これまでの活動の歴史などについて調査を行なった。サンパウロでは、日系人の俳句大会(日本語)にゲストとして参加し、句会の様子を観察することができた。また、ブラジルハイカイ(ポルトガル語)のグループの代表者3名にインタビューを行い、季語などの日本の俳句の伝統を現在も重視して活動していることがわかった。ベレンとトメアスでは、それぞれ1960年代からグループでの活動が続いており、この地域で作られた歳時記や地域ならではの季語について多くの情報を得た。 (2)については、これまでの研究成果について代表者・分担者の3名が、リオデジャネイロ州ニテロイのフルミネンス連邦大学で開催された第14回ブラジル日本研究国際学会においてそれぞれ発表を行なった。タイトルは、「アマゾナス発行のポルトガル語句集『百枚の花びらの菊』について」(エウニセスエナガ)、「季語における人間と自然との関係性の再構築-文化人類学の視点から」(岡田浩樹)、「グレミオ・ハイカイ・イペー選集『四季』の秋 ブラジルハイカイにおける日本の「秋」の受容」(白石佳和)である。このほかに、論文1点、発表1点の業績がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、サンパウロとアマゾン地域における日系ハイク・ブラジルハイカイグループの調査を行うことができ、多くのデータや資料を得た。また、ブラジルの日本研究学会にて研究成果の公開も行うことができた。分担者のスエナガと岡田は他にも学会発表(岡田浩樹「アマゾン俳句の季語における人間と自然との関係性の再構築」、日本生態人類学会、2024年3月28日)、論文出版(スエナガ エウニセ「ブラジル・ポルトガル語俳句の中のモデルニスタ詩人の痕跡―ギリェルミ・ヂ・アウメイダの作風と影響ー」『比較類型論研究のプリズムを通して、異なる文化、民族性、言語の相互理解2論文集』pp. 186-191 (2023年)、スエナガ エウニセ「ギリェルミ・ヂ・アウメイダのハイカイ論―ヨーロッパの伝統詩と新しい詩の形式のはざまで」『愛知県立大学国際文化研究科論集』第25号日本文化専攻編、pp. 25-45(2024年3月))を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度も、ブラジル(サンパウロ、アマゾン地域)での日系ハイク(日本語)・ブラジルハイカイ(ポルトガル語)グループの調査は継続して行う予定である。また、日本で行うデータ収集についても調整を始めたところである。学会発表や論文化に向けて、今後代表者・分担者で研究会を継続的に行う予定である。
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