研究課題/領域番号 |
23K00289
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
岩本 晃代 崇城大学, 総合教育センター, 教授 (20209406)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | モダニズム詩人 / 詩法 / 俳句 / 美術理論 / 戦争詩 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、重要なモダニズム詩人である村野四郎、北園克衛、笹沢美明を中心に、モダニズム期から戦時下までの詩の方法意識の変容過程について検証する。日本の伝統詩の一つである俳句がモダニズム詩人の方法意識に与えた影響の要因として、彼らの詩精神の根底に俳句理論の「写生」とともに絵画を中心とした美術理論への強い関心あったことが考えられる。その仮説を、書誌作成という基礎的研究のもと作品分析を行い実証する。その成果をもとにして、戦時下の所謂「戦争詩」の問題を再検証し、日本近代詩史に新たな知見を付することを目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究では、重要なモダニズム詩人である村野四郎、北園克衛、笹沢美明を中心に、モダニズム期から戦時下までの詩の方法意識の変容過程について検証することを目的としている。日本の伝統詩の一つである俳句がモダニズム詩人の方法意識に与えた影響の要因として、彼らの詩精神の根底に俳句理論の「写生」とともに美術理論への強い関心あったことが考えられる。その仮説を、書誌作成という基礎的研究のもと作品分析を行い実証する。さらに本研究は、その成果をもとにして、戦時下の所謂「戦争詩」の問題を再検証し、日本近代詩史に新たな知見を付することを目指している。 初年度にあたる令和5年度は、すでにライセンスを得ているデータベースソフトを使用して、村野四郎を中心に、詩論やエッセイ等の散文作品を集中的に収集・整理した。この作業は、科学研究費研究課題(課題番号:20K00332)「『体操詩集』を中心とした村野四郎に関する実証的研究」の成果として既に発表した「村野四郎初期作品資料―『体操詩集』前後の俳句を中心に―」(「崇城大学紀要」第47巻、2022年)及び「村野四郎初期作品資料―第一詩集『罠』前後の詩を中心に―」(「崇城大学紀要」第49巻、2024年)に収録した作品資料の補遺を行うことでもある。村野四郎は、詩の他にも俳句、エッセイ、詩論を多く発表しているが、全集が無いため、限定された資料をもとに評価が行われてきた。令和5年度は、『定本村野四郎全詩集』(筑摩書房)に収録されていない作品を含め、彼の作品を網羅的に収集し、それらをもとに戦時下における詩的意識の変容過程を実証的に考察するための準備を進めた。 また、村野四郎をはじめ、北園克衛や笹沢美明らのモダニズム詩人が、俳句と外国から移入された「ハイカイ」とをどのように受容していったのかについて、複眼的に検証を行うために必要になる文学系・美術系の文献のリストアップを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
延長した科学研究費研究課題(課題番号:20K00332)「『体操詩集』を中心とした村野四郎に関する実証的研究」のまとめとなる作品研究に重点を置いたため。ただ、『体操詩集』は戦時下に刊行された詩集で、作品研究を進める過程において本研究にも深く関連した調査を一部は行うことができた。しかしながら、計画していた北園克衛、笹沢美明等関連詩人の作品調査を計画通りには進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
村野四郎に関わりの深い北園克衛や笹沢美明の作品を収集しつつ、データベース化を進め、戦時下におけるモダニズム詩人の詩的意識の変容過程を検証するための基礎的作業を進める。モダニズム詩人が、俳句と外国から移入された「ハイカイ」とをどのように受容していったのかについて、複眼的に検証するための基礎的資料の収集を鋭意進めることとしたい。
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