研究課題/領域番号 |
23K00295
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高橋 徹 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (70313856)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 北杜夫 / 輝ける碧き空の下で / 病跡学 / 精神医学 / 創作資料 / 書斎遺品 |
研究開始時の研究の概要 |
作家・北杜夫(斎藤宗吉:1927-2011年)は、躁うつ病に罹患していたことでも有名である。研究代表者は、2021年に北杜夫邸が解体された際、松本市立旧制高等学校記念館への遺品寄贈の仲介をした。約2000点に及ぶ遺品には、創作ノオトや創作資料が含まれており、特に後期代表作『輝ける碧き空の下で』の関連資料が数多く発見された。本資料は一次資料としての価値が高く、内容を整理・分析することで、創作と精神病理に関する発見と精緻な考察が期待できる。また南米移民に関する資料は歴史的価値が高く、その内容を整理し、広く一般に公開すべき資料と考える。
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研究実績の概要 |
初年度である2023年度は、北杜夫研究家で『憂行日記』の編者でもある齋藤国夫氏(本名:青田吉正氏)と対象資料に関する意見交換をメールや電話、対面にて実施した。また北杜夫の資料を多数所蔵している世田谷文学館を訪問し、担当学芸員と情報交換した。『輝ける碧き空の下で』創作時に資料提供などで北杜夫に協力した故古関富弥氏、故古関八重子氏の親族と手紙で情報共有することができ、研究協力についての同意をいただいた。 関連領域の研究論文として、松本市立旧制高等学校記念館に寄贈された北杜夫の遺品を調査対象とした以下の2論文を発表した。①高橋徹:北杜夫の書斎遺品 ―『どくとるマンボウ航海記』写真24枚の検討―.信州大学附属図書館研究13:17-32,2024.②高橋徹:北杜夫の書斎遺品 ―「Z旗」からみる「躁うつ病」と精神科診断学―.信州大学附属図書館研究13:33-62,2024. 北杜夫の親族(斎藤家)、北杜夫研究家(青田吉正氏)、『輝ける碧き空の下で』創作時の協力者(故古関富弥氏、故古関八重子氏)の親族と手紙やメール、電話、対面での情報共有を継続的に進めており、2024年度以降は、以下3論文の作成と発表を目指す。①北杜夫の書斎遺品―『輝ける碧き空の下で』(1):関連資料の概要、②北杜夫の書斎遺品―『輝ける碧き空の下で』(2):異国・大河小説としての位置付けと創作時の精神状態、③北杜夫の書斎遺品―『輝ける碧き空の下で』(3):創作協力者・古関富弥氏・古関八重子氏―.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
北杜夫の書斎遺品を考察した2論文を2023年度に発表した。当該研究の対象である小説『輝ける碧き空の下で』を主テーマとした論文は、「北杜夫の書斎遺品 ―『輝ける碧き空の下で』(1):関連資料の概要」と題して作成中であり、2025年1月頃の掲載を目標としている。北杜夫の創作に協力した古関氏のご遺族と連絡がつき、また北杜夫研究家の青田吉正氏に遺品内で見つかった手紙の解析を依頼しており、進捗としてはおおむね順調と考えた。
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今後の研究の推進方策 |
関係者(遺族、研究者)の協力を仰ぎながら、以下の論文を2024年度に発表することを目指している。 ・北杜夫の書斎遺品 ―『輝ける碧き空の下で』(1):関連資料の概要 またこれに続く論文として、以下の論文作成を検討している。 ・北杜夫の書斎遺品 ―『輝ける碧き空の下で』(2):異国・大河小説としての位置付けと創作時の精神状態 ・北杜夫の書斎遺品 ―『輝ける碧き空の下で』(3):創作協力者・古関富弥氏・古関八重子氏―
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