作家・北杜夫(斎藤宗吉:1927-2011年)は、躁うつ病に罹患していたことでも有名である。研究代表者は、2021年に北杜夫邸が解体された際、松本市立旧制高等学校記念館への遺品寄贈の仲介をした。約2000点に及ぶ遺品には、創作ノオトや創作資料が含まれており、特に後期代表作『輝ける碧き空の下で』の関連資料が数多く発見された。本資料は一次資料としての価値が高く、内容を整理・分析することで、創作と精神病理に関する発見と精緻な考察が期待できる。また南米移民に関する資料は歴史的価値が高く、その内容を整理し、広く一般に公開すべき資料と考える。
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