研究課題
基盤研究(C)
本研究は、「芭蕉流表現原理」とその史的意義の解明を目的とする。具体的には、「芭蕉流表現原理」とはどのようなものなのか、それは門人や後世の俳人たちにどのように共有されていったのかを明らかにしようとするものである。またそれは、なぜ蕉門の俳諧が広がり、近世中後期に俳諧人口が爆発的に増えたのか、何が彼らを惹きつけたのかを明らかにすることでもある。これは、俳諧という表現行為が人間にとって如何なる意味と価値、魅力があるのかを解明することであり、それと同時に、これまでの「発句の文学的価値による俳諧史」を、「芭蕉流表現原理」を核とした「思想としての俳諧史」へと再構築するための基盤研究でもある。