研究課題/領域番号 |
23K00297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
高橋 秀晴 秋田県立大学, 総合科学教育研究センター, 教授 (40310982)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 後藤宙外 / 前期自然主義文学 / 政治小説 / 早稻田文学 / 新著月刊 / 新小説 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、等閑視されてきた後藤宙外を、今日的視点から俯瞰し再評価するものである。そのために、後藤家より秋田県立博物館に寄託されている3,822点に及ぶ未公開資料(来簡、自筆・校正原稿、日記・雑記等)を調査・分析して、宙外の全容とその歴史的意義を明らかにすることを目指す。達成できれば、明治文学史の新たな側面を照射することになり、宙外周辺の研究が活性化する。さらに、文化・学術資源を再評価する気運を促すことにも繋がろう。
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研究実績の概要 |
後藤家より秋田県立博物館に寄託されている3,822点に及ぶ未公開資料の調査・分析を通して後藤宙外の全容とその歴史的意義を明らかにすることを目的とする本研究の初年度として、2023年度は寄託資料の全容を把握した上で、重要度の高い作家を選出し、宙外宛て書簡を撮像した。 取り上げたのは、石橋忍月、生田長江、島崎藤村、小杉天外、尾崎紅葉、小川未明、幸田露伴、島村抱月、泉鏡花、安藤和風、青柳有美の11名、撮像数は1,016コマに達した。定期的に秋田県立博物館に通って、資料を確認し、日付等をチェックしながら撮影に臨んだ。 内容は、年賀状、礼状、依頼状、原稿依頼への回答、私信等多岐にわたり、宙外の文壇における交友関係の実際(作家、評論家あるいは編集者としての在り方)を知ることができた。住所や移動先等、実生活上の情報も得られたため、年譜の補完にも繋がった。他方、該当作家の未見と思われる書簡も数多くあり、公開すれば各作家の研究の進展に寄与することになるのは確実である。 なお、幸田露伴と宙外、秋田との関係については、別途調査し、その結果を『八郎潟文学誌』(秋田文化出版、2024年3月31日)の幸田露伴の項(「易心後語」の旅/「遊行雑記」の旅)に反映した。 撮影と並行して翻刻作業も進めたが、文字に特徴や癖のある作家が多いため、研究期間内に全書簡を翻刻するのは難しい。デジタル化を優先させ、その解釈等については学会発表や論文という形で公開するのが現実的であるとの認識に至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献収集については順調に進めることができた。主要作家11名の書簡の撮影については、1,016コマの撮像を得られたが、所蔵館と撮影を依頼したみどり光学社のスケジュールや予算の関係で、予定より遅れている。翻刻作業も思いの外手間がかかり、悉皆翻刻は断念せざるを得ないだろう。以上の状況から、「やや遅れている。」に該当すると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に引き続き、秋田県立博物館所蔵後藤宙外資料を調査し、重要度の高いものからデジタル化する作業を進める。並行して、作家や項目別にある程度のまとまりがついたところで、学会発表・論文化に向けての準備にとりかかるつもりである。
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