• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

戦前・戦中における読書傾向調査の基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K00307
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02010:日本文学関連
研究機関早稲田大学

研究代表者

和田 敦彦  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (90283225)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード読書調査 / 日本近代文学 / 読書指導 / 読書会 / 日本文学 / 日本研究 / 出版流通 / 享受史
研究開始時の研究の概要

本研究は、戦前戦中における読書傾向調査について、その歴史的な役割を明らかにすることを目的とする。読書傾向調査は、愛読する図書や雑誌、感銘を受けた書物等を質問紙方式で調査、集計したものを指す。戦時期には調査規模や対象が拡大し、各地で活発になされていく。読書傾向調査は、単なる読書の調査というよりも、読者の能力や環境を把握し、それを改善、指導するための活動でもあり、同時期の推薦図書運動や全国的な読書指導の広がりと密接に結びついている。本研究は、これら読書傾向調査が、戦時下の読書指導や思想統制との関係を明らかにする。さらに読書傾向調査のデータをもとに、この時期の読者の生活、実態をとらえていく。

研究実績の概要

本研究では、第二次世界大戦中、特に1940年代になって様々な地域や年齢層に広がる読書傾向調査について、資料を収集、整理、分析し、その歴史的な役割を解明すること、さらにはその読書傾向調査のデータをもとに文学表現の役割を明らかにすることを目的としている。 この研究のために、2023年度はこれまでに収集してきた戦前、戦中の読書傾向調査をすべてデータとして入力していく作業を進めるとともに、追加資料の探索、補完を行っていった。
これらは主に刊行された資料が中心となっているが、本研究では、学校、及び公共図書館における読書傾向調査について、これら機関の業務文書をもとに調査、検討すること行っている。長野県を対象として図書館の業務文書の調査を行い、戦中の読書の調査や指導に関わる資料を収集していった。飯田市中央図書館、及び飯田市立上郷図書館での調査を進めた。また、すでに調査を行っていた伊那市創造館、県立長野図書館の資料についての分析を進めた。学校文書は、戦前、戦中の文書が広範に保存されている安積歴史博物館の資料を中心に研究を進めた。こうした調査、研究をとおして、読書の調査や指導と、戦時期の思想、文化の統制との関りを解明していった。関連して、戦時期の出版物の調査を行った。具体的には明治学院大学図書館、及び、シンガポール国立図書館に寄贈、所蔵されている日本語資料の整理、調査を進めた。
研究成果として、国際学会で、戦時期の雑誌『東亜文化圏』をとりあげ、文化工作にたずさわった人々のネットワークを解明したほか、図書館や学校の文書調査の成果を論文やデータベースの形で刊行、公開していった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでのところ、おおむね順調に進んでいるといえる。本研究では、具体的な作業として、1)読書傾向調査の資料収集、2)読書傾向調査の調査結果データの統合、分析、3) 読書指導に関する図書館業務文書の収集、及び文書所蔵情報の調査を行うこととしている。なかでも、本年度に大きく進めたのが、これまでに刊行されてきた読書傾向調査のデータ入力とその分析である。戦前、戦中の読書傾向調査については、網羅的、体系的な研究がなされていないが、これら資料の収集、分析によって、それが明らかになってきた。その成果について、次年度に研究書の形で刊行できるよう準備が進んでいる。
3)の図書館、学校文書をもとに、読書傾向調査の役割を解明する調査についても、それぞれの機関での調査が順調に進んできた。図書館文書では、旧上伊那図書館、及び県立長野図書館の業務文書をもとに、読書の調査や指導に関する多様な資料が収集できた。また、学校文書では、安積歴史博物館所蔵の旧制中学校の資料の調査が進んでおり、それら資料に関する研究成果も今後は期待できよう。

今後の研究の推進方策

本研究で課題としている1)読書傾向調査の資料収集、2)読書傾向調査の調査結果データの統合、分析、3) 読書指導に関する図書館業務文書の収集、及び文書所蔵情報の調査のうち、1)及び2)については、その具体的な成果を刊行していく見通しがたってきた。その一方で、3)については、いくつかの課題がある。現在、学校の文書類については、旧制中学校の学校文書を豊富に蔵する安積歴史博物館に重点をおいて調査を進めている。
その一方で、図書館の業務文書は、戦時期の読書会や読書指導に関連する資料を蔵していた県立長野図書館を中心に、長野県内の公共図書館での調査を進めてきた。ただ、可能であれば、戦時期の読書指導のモデルともなった石川県での資料調査も行いたい。また、読書傾向調査については、日本の旧植民地の学校でもなされており、台湾での調査事例が刊行されている。これら外地の資料収集の対象や調査手順について、今後計画を練っていく必要がある。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 旧上伊那図書館業務文書目録 読書傾向調査に関する基礎研究の一環2024

    • 著者名/発表者名
      和田敦彦
    • 雑誌名

      リテラシー史研究

      巻: 17 ページ: 11-21

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 文化工作<実践>への仲介者たち 『東亜文化圏』を手がかりに2023

    • 著者名/発表者名
      和田敦彦
    • 学会等名
      東アジアと同時代日本語文学フォーラム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 『東亜文化圏』復刻版別冊解説2023

    • 著者名/発表者名
      和田敦彦
    • 総ページ数
      44
    • 出版者
      琥珀書房
    • ISBN
      9784910723822
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 和田敦彦研究室

    • URL

      https://a-wada.w.waseda.jp/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi