研究課題/領域番号 |
23K00314
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐倉 由泰 東北大学, 文学研究科, 教授 (70215680)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 軍記物語の表現史 / 日本のリテラシー史 / 日本式の漢学の表現知 / 博士の漢学の表現知 / 仮名の歌文の表現知 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「軍記物語の表現史とは」、「日本のリテラシー史とは」という根源的な二つの問題意識にもとづいて、十世紀から十七世紀に成立した軍記物語の各作品とその諸本の記述を支える多様な表現知が、軍記物語以外の書の記述にも幅広く見出されることを明らかにし、こうした多岐にわたる表現知の共有がそれぞれに何を意味するのかを考察することを通して、複線的に錯綜する軍記物語の表現史の全体像と、多重的に併存しつつ進行した日本の前近代のリテラシーの約八百年間の史的展開をできるだけ詳細に広範に提示することをめざす。さらにその上で、軍記物語研究とリテラシー史研究の新たな展開を可能にする総合的な研究基盤の形成を図る。
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研究実績の概要 |
本研究「軍記物語の表現をめぐるリテラシーの史的展開の研究」は、「軍記物語の表現史とは」、「日本のリテラシー史とは」という根源的な二つの問題意識にもとづいて、十世紀から十七世紀に成立した軍記物語の各作品とその諸本の記述を支える多様な表現知が、軍記物語以外の書の記述にも幅広く見出されることを明らかにし、こうした多岐にわたる表現知の共有がそれぞれに何を意味するのかを考察することを通して、複線的に錯綜する軍記物語の表現史の全体像と、多重的に併存しつつ進行した日本の前近代のリテラシーの約八百年間の史的展開をできるだけ詳細に広範に提示することをめざすもので、2023年度から2026年度までの4年の研究期間に、軍記物語研究とリテラシー史研究の新たな展開を可能にする総合的な研究基盤を形成することを意図している。 こうした4年間の研究の初年度の2023年度は、当初の計画のとおり、考察対象とする膨大な作品、テキストについて、そのひとつひとつの最新の研究状況を捉えるとともに、各作品、テキストの本文をあらためて読み直し、考究を深め、テキスト間の用語、表現の類似とリテラシーの史的展開との関連を広範に緻密に明らかにすることに努めた。その調査、考察は広範に及んだが、中でも、『将門記』、『尾張国郡司百姓等解文』、『陸奥話記』、『平治物語』、『平家物語』、『承久記』、『大塔物語』、『文正記』とその諸本の表現にかかわる考究において、重要な発見と大きな進展を得ることができた。2023年度は、こうした作品、テキストについての調査、読解、考察に専心し、本研究にかかわる研究発表、論文発表は行わなかったが、2024年度に実施する予定の研究発表、論文発表を支える確かな考究の基盤を築けたことはたいへん有意義であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4年の研究期間の初年度の2023年度は、当初の計画のとおり、考察対象とするテキストについて、そのひとつひとつの最新の研究状況を捉えるとともに、各作品、テキストの本文をあらためて読み直し、テキスト間の用語、表現の類似とリテラシーの史的展開との関連を明らかにする調査、考察を着実に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の成果をふまえて、2024年度以降も、当初の計画のとおり、研究を推進して行きたい。そうした計画にもとづいて、4年の研究期間の2年目の2024年度は、前年度からの調査、考究をさらに継続し、軍記物語の表現史と日本のリテラシー史に関する新たな知見を得る中で、その成果を口頭発表や論文によって提示することに力点を置く予定である。
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