研究課題/領域番号 |
23K00319
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
松本 博明 岩手県立大学, その他部局等, 特命教授 (20310146)
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研究分担者 |
石川 則夫 國學院大學, 文学部, 教授 (10286669)
庄司 達也 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 教授 (60275998)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 折口信夫旧蔵資料 / 資料データベースの作成・活用 / 統合、送録の作成 / 折口資料と同時代文学 / 調査・研究成果の公開 / 芥川龍之介 / 資料解読・評価 / 資料データベース作成 / 同時代文学研究の推進 |
研究開始時の研究の概要 |
折口信夫(釈迢空)の未整理・未解読・未公開資料(國學院大學折口博士記念古代研究所旧 蔵資料)の解読・分析・評価を行い、データベース(以下 DB)して可視化・公開するとともに、新資料を日本近代文学研究の活用に資する方策を追求、実践する。旧蔵資料への書き込み、被献呈本、受け取り書簡に名前が認められる志賀直哉、川端康成、太宰治、室生犀星、堀辰雄、谷崎潤一郎など折口信夫を取り巻く同時代作家たちとの関係を明らかにし、当該資料を囲む交流圏を明確にする。この取り組みから、日本近代文学研究において現今急速に研究が推進され成果が出ている作品・作家周辺資料掘り起こしによる同時代文学作品の新たな読みへの展開を促す。
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研究実績の概要 |
本研究は、科研費研究課題「折口信夫旧蔵資料の調査とその評価を通じた同時代文学の資料学的研究」(基盤C=課題番号26370258)の研究成果、および「折口信夫旧蔵資料の分析・評価とその成果活用による同時代文学の資料学的研究」(基盤C=課題番号18K00342)の成果を踏まえて推進している。 折口信夫旧蔵資料の未整理資料の整理と解読を継続、またデータベース作成事業として「所蔵地図データベース」「自筆手帳データベース」など複数のデータベースの修正を粛々と行った。加えて資料分析を通じた同時代文学者との影響関係の評価、研究成果の公開などを、コロナ禍の研究環境悪化継続の中で行った。 入力を完了した個々のデータベースは、個々の研究者の所蔵する複写をもって現物書簡との仮突合作業を行った。 ほぼ100%の入力が完了したデータベース(「受け取り書簡」「折口文庫図書・雑誌」「自筆資料」など)において、現状における複合検索が可能な状態にしてある。このプラットフォームを基盤に、必要項目を増やした改訂版の作成に着手した。これら「折口信夫自筆資料データベース」作成に関わる過程と成果を、再整理し、分かりやすいように分類、成果として発表した。 「折口文庫所蔵目録(データベース)」については、一部修正作業を終え、完成状態になっている。内容の再確認、突合を終えて、現在進行中の科研費の調査研究作業の中で、令和6年度以降に行う。 また。これまでの成果およびDBの作成を踏まえて、各専門分野においてその知見を活かした同時代文学の研究を推進、複数の成果を公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究所管理者の理由なき恣意的な入室禁止措置、閲覧妨害などで、閲覧が不可能となり、研究代表者が所有する複写データによる確認作業を続けざるを得なかった為が最大の理由である。だが、当該教員の退職により、本研究分担者が折口古代研究所の後処理の責任者として任じられたことから、今後の整理、調査、分析作業が格段に進展するものと思われる。 こうした極めて厳しい環境の中で、複数の成果を挙げられたことは意義深い。また、統合目的作成のために、今までの成果を全面的に整理し、分類位置づけを行い、研究代表者によって発表した。(松本博明『折口信夫没後70年の「文芸復興」』(『日本文学論究』第83冊)
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今後の研究の推進方策 |
従前の研究方法をチームで継続し、折口信夫総合データベース(統合目録)の完成にむけて調査、整理、研究、分析を進めていく。そのために今まで障害となっていた部分を大きく取り除き、複数の大学院生アルバイトを雇用し、大量の資料に対抗するための効率的な作業、難解な資料に対応するために、精密で誤りの無い調査発見とを同時に行っていくことで、新たな資料の発見をも目指す。 また、定期的にブログ、冊子などの媒体で、成果を逐次紹介していく。最終的には、閲覧可能になったデータベースを公開しする。 いまだ整理を行えずにいた「折口信夫生活資料」の整理、分析に入り、データベース化に着手する。
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