研究課題/領域番号 |
23K00321
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
大貫 俊彦 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (70738426)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 批評 / 明治時代 / 中央学術雑誌 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の近代に登場した批評とは何か。それは「理解的慧眼をもってその結構の妙所を穿つ」行為でありながら、明治以前に行われていた同様の営みとどう差異化されたのか。本研究課題ではこのような問いのもと、明治時代に成立した「批評」について、おもに文学の領域に軸を置きながら、江戸時代に隆盛し明治以降にも文化として残った「評判記」との違い、「批評」という言葉をめぐる成立の背景とその理念、「批評」が社会に認知され、メディアに批評欄が設けられた黎明期における文芸批評の諸相を考察する。
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研究実績の概要 |
令和5年度に実施した研究成果について、研究計画と照らし合わせながら報告する。まずは当初の研究計画にしたがって、主に2つのテーマで研究を進めた。(1)江戸末期から明治初期までの主要な評判記の調査を通し、庶民文化における役者や戯作の評価方法や尺度を抽出すること。(2)「批評」をめぐる言説編成や理念に関する研究を行うことである。 まず(1)の取り組みについては、大学の図書館に所蔵されている『評判記集成』をもとに江戸期の評判記について資料の収集を行った。資料の調査に際しては評判記の評価対象(具体的には江戸時代の歌舞伎や戯作)についても深く理解しておく必要があり、対象に関する参考文献を読みながら作業を進めていことから、予定よりも時間がかかっている。江戸末期のものも含め、予定していた明治期にもまだ手を付けられていないので、この作業は引き続き継続していく。続いて(2)であるが、「批評」をめぐる言説編成や理念に関する研究として、「批評」が社会の要請に合わせて登場し、広く認知されていく諸相を高田半峯の「当世書生気質の批評」が掲載された『中央学術雑誌』に注目し、その批評欄の創設とともに考察した。そこでは西洋の理念を参照した批評が主張されるとともに、それ以前のものとの差異化が行われ、近代的な「批評」への刷新が行われていることが明らかになると同時に、江戸期の戯作者に対する美学的見地からの捉え直し、江戸期に書かれた作品の批評の再発見などについても行われている様子を考察した。その成果をまとめたものが「『中央学術雑誌』における批評欄の創設とその諸相―日本近代文芸批評の源流をめぐって―」(『文芸学研究』第27号に掲載)である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題は、概要にも記してあるように江戸期と明治期にまたがる領域の研究である。江戸文学についてはある程度の知識は持ち合わせているが、自分が専門としている明治期ほどのものではないことから、江戸期の資料の収集と解読については時間を要し、進捗としては遅れている。一方で明治期の「批評」に関する研究も並行して進めているが、こちらはこれまでの研究の積み重ねによる経験もあって順調に進められていることから、「やや」遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
研究業績の概要に記したように、本研究課題は江戸期と明治期の二つの文化の評判/批評の研究に取り組み、並行して進めている。研究の進捗に偏りが生じているが、並行して研究することを通して得られる知見も多いので、どちらかの一方に注力することなく今後も進めていく。江戸期の評判記についてはある程度の知識の蓄積が必要であるので着実に研究を継続し、明治期の批評研究は比較的成果に結び付きやすいことから、積極的に成果を公表していくことを今後の方策とする。
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