研究課題
基盤研究(C)
日本の近代に登場した批評とは何か。それは「理解的慧眼をもってその結構の妙所を穿つ」行為でありながら、明治以前に行われていた同様の営みとどう差異化されたのか。本研究課題ではこのような問いのもと、明治時代に成立した「批評」について、おもに文学の領域に軸を置きながら、江戸時代に隆盛し明治以降にも文化として残った「評判記」との違い、「批評」という言葉をめぐる成立の背景とその理念、「批評」が社会に認知され、メディアに批評欄が設けられた黎明期における文芸批評の諸相を考察する。