研究課題
基盤研究(C)
本研究では、西川祐信の絵本を対象として近世から近代の京都における図像を介した書物文化の受容史を明らかにする。第一に、祐信絵本の主な享受者であった女性や子どもの教育・生活に与えた影響について考察を行う。第二に、基礎研究の充実を図る。祐信の全作品年表の作成とモチーフの分類・索引化を行う。第三に、近代における受容について考察する。祐信は江戸時代においても多大な評価を受けたが、その評価や影響を体系化した上で、近代の再評価の様相と対比させる。近代の時代考証家がいかに絵本類や古画を活用して実践的な故実研究を進めたのかという問題を主軸として、祐信の図像が近世と近代との文化の接続に果たした役割を明らかにする。