研究課題/領域番号 |
23K00339
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
|
研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
城山 拓也 東北学院大学, 国際学部, 准教授 (60749109)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 工芸美術 / モダニズム / 漫画 / 装飾 / 中華人民共和国 / 中国美術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1956年に誕生した中央工芸美術学院における一連の形式実験を、「装飾芸術」という枠組みの下で捉え返し、新たな美術史構築を目指すものである。当時の中国では、挿絵、壁画、アニメーションなどの分野で、多様な形式実験を行っていた人々が存在していた。本研究では、特にホウ薰栞・張光宇・張テイといった人々の動向に着目し、新聞・雑誌など一次資料の調査を行いながら、当時の工芸美術の実態を浮き彫りにする。20世紀中国美術史における連続性と断絶性に着目しながら、中央工芸美術学院の歴史的役割を再考し、新たな文化史記述を構築することが目的である。
|
研究実績の概要 |
2023年度は当初の計画通り、先行研究の読み込みと各種資料の収集・整理など、基礎的な作業に重点を置いた。 具体的には、20世紀中国における工芸美術の定義と中央工芸美術学院の歴史について、杭間や曹小鴎らの先行研究を対象に、読み込み作業を行った。また、漫画家・工芸美術家である張光宇に着目し、唐薇、黄大剛らの研究を参考にしつつ、作品分析(主に『朱八戒漫游香港記』など)も進めている。 資料収集については、図書館やオンライン・データベース、および古書店などでの一次資料の収集と整理に努めた。まずは、新聞『人民日報』、グラフ雑誌『人民画報』(いずれも1949~66年を対象とする)、それに新聞『大公報』(香港)といった基礎的な文献を狩猟し、工芸美術関係の記事を収集・整理を進めた。また、早稲田大学図書館所蔵の雑誌『新観察』(1950~60)の記事を調査し、張光宇・張テイ(人偏+丁)・葉浅予ら本課題に関係する作家たちの一次資料を発見することができた。 他にも、中国の古書店において雑誌『装飾』(1958~61)を購入し、記事の読み込みと、データベースの作成を進めた。さらに、当時の民族文化芸術の状況を把握するため、雑誌『舞踏』(1958~1966)を対象に調査を進め、こちらも同じくデータベース化を進めている。 ただし、2023年度は資料の収集・整理を進めることができたものの、具体的な成果発表にまでは至っていない。2024年度以降の課題としたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題の主眼は、中華民国期中国で活躍した漫画家が、いかに中華人民共和国の工芸美術の発展に携わってきたのか実証する点にある。 基礎的な文献については、2023年度の段階で大まかに入手・整理を進めることができた。特に雑誌『装飾』と『舞踏』のような貴重な資料の入手に成功したことで、本研究を進めるための下地を整えたと言える。また、張光宇と代表とする漫画家・工芸美術家の動向についても、徐々に実態が明らかになってきた。 ただし、重要資料の中には、いまだアクセスできていないものものある(新聞『光明日報』・『文匯報』や雑誌『工芸美術通訊』など)。また、同じく漫画家・工芸美術家である張テイ(人偏+丁)については、全集本が高額書籍となっているため、こちらも確認ができていない。 今後の方策を練りつつ、資料収集に努めたい。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、引き続き国内の図書館、資料館、およびオンライン・データベースなどで調査を進めるとともに、国外の図書館(中国国家図書館(北京)、上海図書館(上海)など)への出張を実施しようと考えている。 また、資料整理が一定程度進んだため、途中経過報告を行うつもりである。
|