研究課題/領域番号 |
23K00342
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
川野 明正 明治大学, 法学部, 専任教授 (00326000)
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研究分担者 |
楊 川力 東京都立大学, 人文科学研究科, 博士研究員 (70903714)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 対聯 / 漢字表象 / 文字表象 / 宣揚文 / 民間文芸 / 漢詩 / 日本漢詩 / 漢字 / 華人 / 漢文化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中国の公共・半公共空間に掲示される中国対句「対聯」(トゥイリィエン・ついれん/たいれん)を、中国国内と東アジア各国、及び東南アジアタイ北部華人社会を調査地として、国境を越えた中国文芸作品ジャンルの展開の様相を解明せんとするものである。 日本の神社の標柱の対聯や東南アジア華人の墓聯など、これまで先行研究が寡小な研究調査を実施することで、中国文芸の一ジャンルである対聯が、国外で新しい作品ジャンルを生み出し、独自の展開をみせた諸相をも明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、海外調査として中国雲南省大理白族自治州での実施調査一回(7月28日~8月21日〈川野〉・22日〈楊〉の帰国移動期間までを科研費調査に当てた。大理市での民間対句調査・8月18日に同州剣川県金華鎮・(以下同県)龍門邑村・朱龍村・古城隍廟での対句・扁額調査・8月19日に同州同県弥祉鎮の漢族村の対聯の記録調査を実施・8月20日に同州大理市五里橋村のイスラーム系回族の文字表象を調査した。 国内調査は、4月22日に尾道市、4月23日に今治市、4月24日に尾道市因島の神社標柱(しめばしら)の宣揚文(対聯・一部和歌)の調査、4月25日に福山市の神社標柱の調査を実施し、4月26日に因島の神社標柱を再度調査した。 また、11月25日から11月27日まで、研究支援経費にて、山口県山口県防府市防府天満宮・同県岩国市吉香神社・同県柳井市柳井天満宮の神社標柱の宣揚文の調査を実施した。 研究実績をまとめると、アジア各地の漢文化の文字表象の一つの特性を、雲南省を事例に漢族・非漢民族双方に渉っての様相を調査できた。辺境に居住する漢族や白族という非漢民族のなかで、様式を厳守しつつ、過剰な掲示を伴う中国辺境ならではの文学現象を実地調査に記録することができた。日本国内でも神社の標柱の宣揚文が、記紀などの古代文学にもよりつつ、漢詩文の一ジャンルとしての対聯を採用して、日本独自の対聯文化を形成している点を跡づけることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
従来の研究計画に沿って研究を進めているが、いくつか追加調査をする必要があることが分かった。2023年度の海外・国内の調査に補足を加えた調査が必要となり、国内では今治市での神社標柱の悉皆調査、国外では中国雲南省大理州での寺院対聯の調査を追加して実施する必要がある。それ以外の計画については、計画上の変更なく、概ね順調に進展しているといいうる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、海外調査では、雲南省大理での水目山などの寺院対聯の調査を追加調査に加える必要がある。理由は、2023年度の海外調査で、コロナ感染のため、当初予定していた実地調査ができなかったからである。また、国内調査では、2023年の調査の結果として、愛媛県今治市内の神社標柱上の宣揚文の悉皆調査を予定している。今治市内の同種の宣揚文は、対岸の尾道市に並んで古いものであるが、各社の宣揚文については、資料化が不足した状況があり、日本の神社対聯の調査地として、最も緊要性が高いと認められるからである。その他の調査課題は、従来の申請通りである。
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