研究課題/領域番号 |
23K00344
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小川 利康 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70233418)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 周作人 / 魯迅 / 周氏兄弟 / 『語絲』 / 『駱駝』 / 廃名 / 徐祖正 / 張鳳挙 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、周作人の文学サロン「苦雨斎」で誕生した雑誌『駱駝』(1926年)、『駱駝草』(1930年)同人が共有した文学理念を解明し、「苦雨斎」での交流の実態を周作人日記書簡の分析によって解析する試みである。雑誌同人「駱駝社」が成立した『語絲』創刊前後の1924年まで溯り、中心メンバーの徐祖正、張鳳挙、「駱駝草三子」(廃名、梁遇春、石民)、兪平伯が「苦雨斎」での交流を通じて形成した文学理念を解明する。この研究は、周作人が「新文学的二大潮流」(1923年)では「頽廃派」として、『中国新文学的源流』(1932年)では「言志派」として称揚した文学流派の理念の解明にもつながるであろう。
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研究実績の概要 |
2023年度は、先行研究の総括と研究情報の収集を目指した。この計画に基づき、11月11日(土曜日)に「周氏兄弟研究青年論壇」を開催した。その目指すところは、自らの研究の充実だけでなく、先端的な研究を行う若手研究者を招聘して研究交流を行うものであった。現実的に準備を始めると、中国人研究者を日本に招聘するためのビザ発給が極めて困難であることが明らかになったため、オンラインによる開催に方針転換して開催した。今回、1920年代の『語絲』刊行時期に関連する論題で発表をお願いしたが、相互に関連し合うテーマも多く、充実した内容となった。ただ、オンラインによる開催であったため、交流については物足りない部分があったことは否めない。 今回シンポジウムで発表された若手の論文だけでなく、シニア研究者の論文も『周氏兄弟研究』第2号に収録し、発表できた。シンポジウム冒頭の主題講演という位置づけで発表された長堀祐造、秋吉收の共著論文「制作魯迅“石膏面模”的牙科医生奥田杏花(愛三)的人物像―奥田杏花之子奥田昇夫婦訪問記」は発表後、大きな反響を呼び、北京魯迅博物館が刊行する「魯迅研究月刊」(2023年12期)に掲載された。今後詳細な内容については、日本語で刊行される予定である。今後、日本でのユニークな研究を世界に発信してゆくためにも、日本語論文だけに固執せず、より広い読者層に受け入れられるように中国語での発信が肝要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対面・オンライン併用で「周氏研究青年論壇」を開催し、『周氏兄弟研究』第2号を観光できたので、予定通りの進行である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、魯迅仙台留学120周年に当たることから、東北大学を会場として、中国など海外からの研究者を招いて、周氏兄弟をテーマとする研究論文を集めた国際シンポジウムを開催したい。
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