研究課題/領域番号 |
23K00360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
齊藤 みどり 都留文科大学, 文学部, 教授 (30759858)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 比較文学 / 英語圏文学 / カリブ海域文学 / スレイブ・ナラティブ / ネオスレイブ・ナラティブ / ポストコロニアル文学 / 奴隷制 / 文学批評 / カリブ文学 / ポストコロニアル / フェミニズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、英国におけるネオ・スレイブ・ナラティブ(新奴隷小説)の持つ社会的意義について、1980年代から2010年までに発表された作品を中心に分析する。ネオ・スレイブ・ナラティブ(新奴隷小説)は奴隷制を人々に思い出させるだけではなく、多様性の実現されていない現代の社会の問題を浮き彫りにしている。英国におけるネオ・スレイブ・ナラティブを包括的に読み解くことで、英国が抱える問題と文学作品が持つ可能性について考察したい。英国におけるネオ・スレイブ・ナラティブは数作品を除いてあまり研究されていないため、カリブ海域にルーツを持つ作家が、奴隷制について語り直すことで何を訴えようとしたのかを検証する。
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研究実績の概要 |
本年度は、英国のネオ・スレイブ・ナラティブの社会的意義についての研究に着手するため、必要な書籍を購入し、それを読み込んだ。 Baernard Bell のThe Afro-American Novel and Its Tradition(1987), Ashraf H.A. Rushdy のNeo-Slave Narratives (1999) などのスレイブ・ナラティブの基本となる文献や、Lars Eckstein のRe-Membering the Black Atlantic (2006) Arlene R. KeizerのBlack Subjects (2004) などを中心に、ネオ・スレイブ・ナラティブについての基礎的な文献を網羅し、アメリカでのネオ・スレイブ・ナラティブと英国でのネオ・スレイブ・ナラティブの違いについて調査をした。 調査の結果として、アメリカでのネオスレイブ・ナラティブは、奴隷制を経験した人々の記憶が薄れる中で、失われた人々の声を記憶するための装置として、主に公民権運動の発展とともに盛んに出版されたことがわかった。また国家からの援助もあったことから、アメリカにおけるネオスレイブ・ナラティブの出版は、英国に比べて活発であったことが明らかになった。 また、ネオ・スレイブ・ナラティブについて理論的な枠組みも調査し、英国におけるネオ・スレイブ・ナラティブの持つ意味についても考察した。その結果は、都留文科大学大学院の大学院紀要第28集に、 ‘Defining Neo-Slave Narratives in the British Context’としてまとめて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
必要である文献は購入し、おおむね目を通すことができた。初年度に必要なネオスレイブ・ナラティブの背景となるアメリカと英国の状況を調べて、小説も読むことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、英国における初期のネオスレイブ・ナラティブに目を移し、2024年度は特にキャリル・フィリップスの作品を考察しする。
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