研究課題/領域番号 |
23K00380
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 宮城学院女子大学 |
研究代表者 |
鈴木 雅之 宮城学院女子大学, 付置研究所, 研究員 (50091195)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 姉妹芸術 / エクフラシス / 文学的ギャラリー / 美術展の時代 / 王立美術院 / Joshua Reynolds / イギリス・ロマン主義時代 / 歴史画 / ut pictura poesis |
研究開始時の研究の概要 |
文学と絵画の関係をとりあげるとき、姉妹芸術や《詩は絵画のごとく》さらにエクフラシスというルネサンス的な思考に先ず関わることになる。「自然、自由、革命、想像力」の時代と呼ばれるイギリス・ロマン主義時代の研究において、文学と絵画が同一平面上に置かれた文学的ギャラリーという文化運動への関心は見られなかった。詩人たちは諸芸術―詩、絵画、彫刻、音楽、建築―間の類似・照応を引き合いに出した。しかし文学的ギャラリーにおける詩と絵の関係は、類似でありつつもそれ以上の何かである。詩と絵画の関係は類似関係にとどまらず、双方の間には協調、重複、差異、敵対、不協和、逆転、転覆、分裂等々の状況があることを確認する。
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研究実績の概要 |
文学と絵画の関係をとりあげるとき、姉妹芸術や《詩は絵画のごとく》さらにエクフラシスというルネサンス的な思考に先ず関わることになる 。「自然、自由、革命、想像力」の時代と呼ばれるこれまでのイギリス・ロマン主義時代の研究において、文学と絵画が同一平面上に置かれた文学的ギャラリーという文化運動への関心は見られなかった。むしろ詩人たちは諸芸術―詩、絵画、彫刻、音楽、建築―間の類似・照応を引き合いに出した。しかし文学的ギャラリーにおける詩と絵の関係は、類似でありつつもそれ以上の何かである。詩と絵画の関係は類似関係にとどまらず、双方の間には協調、重複、差異、敵対、不協和、逆転、転覆、分裂等々の状況があることを確認した。 文学的ギャラリー(literary gallery)は詩と絵画が出会う場所である。18世紀末から19世紀にかけてのロンドンでは美術展や個展が頻繁に開催された。William Thompsonはこの時代を「美術展の時代」と呼んだ。本研究課題においては、文学的ギャラリーにおける詩と絵画と展覧会カタログを研究対象とし展覧会カタログを媒介にして言語テクストと視覚テクスト双方の複雑な交渉関係を考察した。イギリスにおける「歴史画」の地位高上を目指すなど優れて政治性を帯びた文学的ギャラリーを、イギリス・ロマン主義時代の文学と文化の中に位置づけた。そうすることで、これまでは断片的で細分化されたものとして捉えられてきた当時の文学と視覚文化の諸相を新たな統一的視点で読み解き新しいイギリス・ロマン主義文学・文化像を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献収集や資料収集は概ね順調に進んでいる。初年度のため論文執筆には多少遅れをとっているが、来年度はWilliam Blakeの個展(1809)展示作品である『個展作品解説目録』第1番と第2番――《リヴァイアサンを率いるネルソンの霊的立像》(The Spiritual Form of Nelson Guiding Leviathan, in whose wreathings are infolded the Nations of the Earth. c. 1805)と《ビヒモスを率いるピットの霊的立像》(The Spiritual Form of Pitt Guiding Behemoth; he is that Angel who, pleased to perform the Almighty’s orders, rides on the whirlwind, directing the storms of war: He is ordering the Reaper to reap the Vine of the Earth, and the Plowman to plow up the Cities and Towers. ? 1805)他を中心に取り上げる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
王立美術院とこれを支える基本理念であるSir Joshua Reynolds, Discourses on Art を再考し、王立美術院が18世紀イギリス文化において果たした役割および本研究課題である文学的ギャラリーが多数誕生した歴史的背景を考察する。王立美術院と18世紀イギリス文化に関する最新の学術的知見を追加しさらに拡大・充実させる。John BoydellのShakespeare Gallery (1789-1805)を取り上げる。Boydellの目的・意図はShakespeareの諸作品を絵画化することで美術後進国イギリスの歴史画にはずみをつけ、できればこれをイタリアやフランスなみのレベルに引き上げることであった。Boydellが依頼した画家はHenry Fuseli (1741-1825), George Romney(1734-1802 ), Joseph Wright of Derby (1734-97), Angelica Kaufmann (1741-1807)など錚々たるメンバーである。イギリス・ロマン主義時代の詩人たち(Keats, Coleridge)によるShakespeareへの言及とくに具体的な視覚芸術への言及にも十分な注意を払う。 FuseliのMilton Gallery (1799)を取り上げ、イメージとテクストの相関関係および 絵画作品の歴史画としての特徴を明らかにし、必須文献を精読する。
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