研究課題/領域番号 |
23K00382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
迫 桂 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (60548262)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | life course / ageing / time / posthuman / nature / contemporary fiction / future / posthumanism / narrative |
研究開始時の研究の概要 |
ライフコースの理解や経験は、人間主体と時間との関係を我々がどう捉えるかに影響されている。本研究は、我々と「未来」の関係に焦点をあて、下記の視点から、「未来」の文化的意味や表現を分析、批評する。これにより、ライフコースについての既存の理解を広げることを目指す。 1. 児童絵本における子ども、世代、自然を分析し、ライフコースと未来について何を示唆するかを問う。 2. ディストピア小説作品におけるライフコースの未来を考える。 3. 喪失についての文学・映像作品を分析し、喪失と時間の関係、喪失を書くことの意味を問う。 4. TVドラマ・シリーズという媒体がライフコースをいかに表象しうるかを問う。
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研究実績の概要 |
本課題の目的は、「未来」の意味を再考することにより、伝統的な時間観と画一的なライフコース観を見直し、多様な生の在り方に目を向け、ライフコースについての既存の理解を広げることである。本年度は下記の具体的課題に取り組んだ。 Speculative fictionと未来について。①のTVドラマ作品をPosthumanism批評の視点から分析し、ライフコースと未来について考えた。成果を国際学会で発表し、その後論文にまとめ、国際雑誌に投稿をした。②小説作品を分析し、世代間関係と未来の在り方と理解の仕方が密接に関わっていること、さらに、他者との倫理的関係が未来の想像・創造に重要であることを示した。 児童絵本と未来について。①日英の児童絵本における死の表象を比較分析し、(大人がもつ)ライフコースや死についての文化的概念とその文化的差異を考察した。成果は国際学会で発表した。② 児童文学研究、環境批評、エイジング・スタディーズの視点を接合し、庭を舞台に世代間関係を描く児童絵本を分析した。自然とライフコースのステージが様々な連想で結び付けられていること、庭という空間が自然と人間の社会空間の中間に位置づけられ、それゆえに、大人・子供の二分立を超えて老年者と子どもの交流を可能にする空間を提供していることが分かった。結果を国際学術集会で発表し、さらに、論文にまとめた。 新規の共同研究で、ポストコロニアル批評の視点からライフコースと時間について考えた。具体的には、Indian Ocean fictionとして扱われる小説三作品を分析し、記憶・歴史という時間の理解に空間が大きく影響しているかを考えた。 エイジングと空間に関心をもつ研究協力者とオンラインで面会をし、意見・情報交換を行った。学術集会での共同パネル組織に合意した。また、今後の共同研究の可能性についても話し合った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規の共同研究に参加することになり、新しい分野の文献調査が必要になったため、それに時間がかかり、当初の計画よりやや遅れが出た。
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今後の研究の推進方策 |
上述の新規共同研究に参加したために遅れが出たが、このために行った意見・情報交換及び文献調査は本研究課題のその他の計画遂行に有益なものも含まれている。これらの成果を有効に活用することで、課題全体の研究計画の遅れが大きくなることは避けられると考えている。
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