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アメリカ文学における写真・イメージ、記憶、ニューヨーク

研究課題

研究課題/領域番号 23K00387
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02030:英文学および英語圏文学関連
研究機関京都産業大学

研究代表者

宮澤 直美  京都産業大学, 外国語学部, 教授 (50633286)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードアメリカ文学 / 写真 / 移民 / ナボコフ / カポーティ / イメージ / 記憶 / ニューヨーク
研究開始時の研究の概要

本研究は、「写真・イメージ」、「記憶」、「ニューヨーク」を軸に、20世紀後半から現代までのアメリカ文学を分析し、文学と記憶の問題を照射する媒体としての写真、映像、イメージの役割を明らかする。ジャン・ボードリヤールの消費社会とイメージに関する思想的研究や、ロラン・バルトらの写真論を取り入れ、移民の国アメリカの記憶としての物語の形成に、写真・イメージがどのように関与したのか、領域横断的に考察する。ことば、写真、映像、記録を送る側と、それを受け取る側が、共犯者として互いに新しいリアリティと、記憶としての文学を創造する経緯を具体的に検証し、アメリカ文学研究に視覚芸術論の新たな視座を開拓する。

研究実績の概要

本研究は、「写真・イメージ」、「記憶」、「ニューヨーク」を軸に、20世紀後半から現代までのアメリカ文学を分析し、文学と記憶の問題を照射する媒体としての写真、映像、イメージの役割を分析するものである。ジャン・ボードリヤールの消費社会とイメージに関する思想的研究や、カジャ・シルヴァーマン、ロラン・バルトらの写真論を取り入れ、移民の国アメリカの記憶としての物語の形成に、写真・イメージがどのように関与したのか領域横断的に考察する。本年度は、本研究課題の初年度として、計画に基づき以下のように研究を進めた。
1)亡命作家ウラジーミル・ナボコフの作品と視覚芸術に関して進めてきたこれまでの研究に、移民という視点を加えての検証を始めた。具体的には、ベルリン時代に執筆した初期の作品、詩、母やロシアの記憶に関する資料を整理した。祖国の記憶や過去を保持すると同時に、それらとの隔たりをも再認識される視覚的媒体としての写真が、移民にとって、どのような役割を担っているのかを考察した。この分析を論文としてまとめ、国際雑誌に投稿した。現在はその査読結果を待っている状況である。
2)トルーマン・カポーティのニューヨークを舞台とした短編 “Miriam,” “Shut a Final Door,” “Master Misery”と長編 Breakfast at Tiffany's を中心に論文の構想を練る作業を進めた。パフォーマティブな語り、記憶、フィクションが、実際の現実を変容させ、虚構と現実といった単純な二分法で捉えられる世界を揺さぶる際に、作品に登場する写真、映画、広告、隠喩としての写真、写真的眼差しは、どのような役割を担うのか、資料調査と考察を進めた。
3)ユダヤ系作家であるポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザーらの作品におけるアンビバレントな自己認識と、先祖の記憶、写真への言及、示唆などを整理した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画では令和6年2、3月にニューヨーク公立図書館Stephen A. Schwarzman Building貴重書部門等での調査を予定していたが、実現ができなかった。そのため一次資料に基づいた調査ができなかった点において、やや遅れている部分がある。ただし、その他の部分(論文の書き直し、新しい論文の構想)においては、計画通りに進めることができている。

今後の研究の推進方策

令和6年度は5年をかけて取り組む本研究課題の2年目にあたる。移民の国アメリカの記憶としての物語の形成に、写真・イメージがどのように関与したのか、その大きな問いに答えるために、本年度は具体的に以下の3点に取り組む計画である。
1)トルーマン・カポーティやポール・オースターは、19世紀アメリカン・ルネッサンス期の作家(メルヴィル、ホーソーン、ポー、エミリー・ディキンソンら)を間接的に作品中に登場させながら、その主題、作家、作品世界を現代に甦らせるという特徴がある。リュシアン・デーレンバックが『鏡の物語』(1996)で扱う文学における内的二重化の装置としての鏡を、写真に置き換え、紋中紋手法の議論を写真論に繋げて分析する。令和6年度は、その第一段階として、ホーソーン、ポーを取り上げ、20世紀中葉の作家との関係性の中で捉え直す作業を開始する。記憶、貨幣と写真という視点で、両作家作品を検証することから着手する予定である。
2)ここまで進めてきたトルーマン・カポーティと写真の分析をさらに進め、論文としてまとめ、最終的には国際雑誌掲載を目指す。
3)投稿中のナボコフに関する論文の査読結果次第では、その論文の加筆修正作業を進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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