研究課題/領域番号 |
23K00401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
長瀬 真理子 九州工業大学, 教養教育院, 准教授 (80636506)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | シェイクスピア・フォリオ / 書誌学 / シェイクスピア・セカンドフォリオ / 本文研究 / 劇作編集 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、シェイクスピア戯曲集第1版に対し多くの本文修正が行われた第2・二つ折本を書誌学本文研究の対象とし、出版に際し誰がどのような資料を校合して本文修正を行ったか、という編集過程の解明を試みるものである。シェイクスピア二つ折本の先行研究はほとんどが第1版に集中しており、第2版については未だ十分な研究が行われていない。特に編集の工程は未開拓領域となっている。本研究では、長い間請負業者に過ぎないと考えられていた印刷者が、出版の企画者として本文修正に関与した可能性を示唆する痕跡を本文と外部証拠からたどり、第2・二つ折本研究の開拓可能性を示すことで、国内外における議論の活発化に貢献することを目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度は、バーミンガム大学シェイクスピア・インスティテュートからJohn Jowett名誉教授を研究協力者として招聘した。明星大学資料図書館ならびに九州工業大学における貴重書調査と国内学会発表、シェイクスピア・ファーストフォリオ出版400年記念セミナー開催にいたるまでJowett教授と合同で実施した。明星大学資料図書館においては、1616年から1685年までに英国で出版されたシェイクスピア二折本とジョンソン二折本の現物調査を行い、シェイクスピア第2・二折本を中心に、印刷・出版業者のネットワークと版権の推移を追跡した。九州工業大学においては、シェイクスピア戯曲集(フォリオ)第2版および第4版と特に関係の深いParthenissa (1676)の原本を対象として植字システムの解析を行った。本研究課題の中核となるシェイクスピア第2・二折本については、出版環境と現存コピーに関する総論を2024年度内にJowett教授と共同で発表する予定である。 2023年12月に九州工業大学で開催したシェイクスピア・ファーストフォリオ出版400年記念セミナーには、Jowett教授に加え、住本規子明星大学名誉教授とAdam Hailes北九州市立大学教授にもご登壇頂いた。シェイクスピア・フォリオの編集に秘められた意図から明星大学資料図書館に所蔵されるフォリオが所有者に読まれることで新たに獲得した個性に至るまで、各自のご研究成果をご発表頂き有意義な機会となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたJowett教授との共同調査ならびに学会発表やセミナーの開催を実現し、調査結果の一部を2024年度内に国際論文として発表する計画を達成できる目途もたった。進捗は概ね順調と言える。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に続き2024年度も、シェイクスピア第2・二折本の本文校合に用いられた先行版および手稿の性質の解明を進めつつ、第2版印刷者トマス・コーツの第1版印刷への関与の有無に関する調査を行う。今年度は、明星大学資料図書館に加え、国外の稀覯図書館における調査も実施する計画である。研究協力者であるJowett教授ならびにJean-Christophe Mayer CNRS教授とも連絡を取り合いながら、課題遂行期間中第二回目のフォリオ・セミナー開催の実現に向け、準備を進める。
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