研究課題/領域番号 |
23K00427
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
塚崎 今日子 北海道科学大学, 未来デザイン学部, 准教授 (20347727)
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研究分担者 |
熊野谷 葉子 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (70581784)
中堀 正洋 創価大学, 文学部, 准教授 (70460087)
山田 徹也 立教大学, 外国語教育研究センター, 特任准教授 (00750340)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 北ロシア / フォークロア / マルチメディア資料 / 伝承文化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の対象は、ロシア連邦アルハンゲリスク州上トイマ地区において、約四半世紀にわたり断続的に実施されてきた日露合同フォークロア調査の採録資料である。 本研究では、それらの資料の整理、音声資料の文字起こし、和訳を進め、「身体性を備えた総合的なパフォーマンスとしてのフォークロア」について多角的な研究を行うとともに、特設したWebサイト上において、個人情報に十分配慮した形で、採録した資料および研究成果を順次公開する。
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研究実績の概要 |
研究活動としては、①具体的な担当テーマの決定。②テーマに沿った資料整理、文字起こし作業。③Webサイト「ВТАЯРФЭЭ」に資料を順次追加。④Webサイトの更新が挙げられる。 研究実績としては、熊野谷はカザフスタンのトライグィロフ大学紀要に論文「多様性ある研究チームによるフォークロア研究の可能性(原文英語Prospects for Folklore Studies by Diverse Research Teams: Ecpeditions, Archives, Publications, and Analysis)」を発表した。塚崎は、中央大学人文研オンライン研究会において「冬の来訪神シュリーギン(シュリクン):類似するブィリーチカの筋構造をめぐって」という題目で、また、東北アジア文化学会2023年度春季聯合国際学術大会において「異界的存在とその語り─ロシアのシュリクンとルサールカ─」という題目で口頭発表を行った。中堀は「ロシア・アルハンゲリスク州上トイマ地区調査旅行記(下-3)」を『なろうど』に発表、また、上記中央大学研究会において「ロシア版ATU1137説話に現れる一つ眼の巨人」という題目で口頭発表を行うとともに、論文「ロシアフォークロアにおける不幸の形象リーホ ―ATU1137説話の分析を通して」を『幻想的存在の東西 古代から現代まで』に上梓した。 また2024年3月には、熊野谷がモスクワへの研究旅行を実施し、本研究成果についてロシア科学アカデミー世界文学研究所において講演したほか、本研究のロシア人研究協力者達と懇談した。その際、先の科研成果の一つである論文集『北ロシアの暮らしとフォークロア』を研究協力者およびロシアの学術機関(大学、アカデミー研究所、博物館等)に配布し、本国の研究者と情報を共有するとともに、高い評価を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
デジタル資料の整理、サイトへの資料アップと並行しての、新たなロシア語資料の文字起こし・和訳に予想外の時間がかかってしまっている。それは、古い資料の音声が不明瞭であること、また、北ロシア方言や民俗語彙が多用されていることが主な原因である。ロシア人協力者に文字起こしのサポートを依頼しているが、デジタル資料の共有の不具合といった問題が発生し、今後改善を検討しなければならない。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の計画としては、2023年度の作業を継続、すなわち、メンバー各自でテーマに沿って資料整理、文字起こし、和訳を進めるとともに、研究成果の発表(口頭発表・論文)に努めることが挙げられる。また、国際情勢にもよるが、当初の計画としては、アルハンゲリスク州上トイマ地区で現地調査を実施し、資料の不足部分を補い、インフォーマントまたは家族の資料公開許可の確認を取り、現地協力者と協議を行う予定である。研究成果の発信については、国内に留まらず、国外に向けても積極的に取り組む予定である。
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