研究課題
基盤研究(C)
本研究は、19世紀前半の大衆文化とメディアの問題を、小ロマン派の作家を通して、総合的に検証することを目的としている。具体的には、①大新聞とは異なる小新聞、虚報、暦書、小冊子などの大衆的印刷媒体の数量・質的調査、②小ロマン派を中心とした作家(ネルヴァル、ノディエ、ミュッセ、ゴーチエ)における大衆文化とメディアの関わりをめぐる文学分析、③大衆文化とメディアに関わる文学場の特徴と社交性に関する社会学的分析、の3点に焦点を絞り、検証を進める予定である。メディアに関する歴史実証的調査と具体的な文学作品分析とを合わせることで、これまで死角となっていた19世紀前半の文芸事象を明らかにしたい。