研究課題
基盤研究(C)
アルジェリアで育ち、この地を舞台とする小説『異邦人』や『ペスト』で知られる作家アルベール・カミュは、同時にレジスタンスの機関紙「コンバ」の編集長としてドイツからのパリ解放を告げたジャーナリストであり、『反抗的人間』でスターリン体制下のソ連邦を批判した左翼知識人でもあった。アルジェリア戦争がはじまると彼は休戦を呼びかけ、独立には最後まで反対の立場をとった。本研究は、このように多面的な活動を行ったカミュが、アルジェリア独立後のフランス人たちの集合的記憶に於いて、どのような位置を占めているのかを明らかにしようとするものである。