研究課題/領域番号 |
23K00446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
岡本 和子 明治大学, 文学部, 専任教授 (50407649)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ベルリン / 1920年代 / フランツ・ヘッセル / ハンス・オストヴァルト / 都市論 / 遊歩 / ドイツ文学 / ヘッセル / オストヴァルト / 都市 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、1920年代のベルリンを戦間期としてとらえ、急速に近代化・都市化が進んだこの時代のベルリンにおける生が二つの大戦とどのように関わっていたのかを、ベルリン出身の作家フランツ・ヘッセル(1880-1941年)とハンス・オストヴァルト(1873-1840年)の都市論と文学作品を主たる分析対象として明らかにするものである。 自由で都市的な大衆文化を経験した「モダン」な都市ベルリンを首都にもつドイツが、なぜナチスのもとで第二次大戦に向かわざるをえなかったのか、ベルリンの前衛的な文化や生のどこに暴力への指向性が宿っていたのか、という問いに答えることを目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度は、主としてフランツ・ヘッセルの都市論エッセイ(『ベルリン散歩』1929)の読解、分析を行った。 1920年代末は、ヴァイマール共和制の後期で、消費文化・大衆文化が成熟してきていたものの、貧困という大きな問題は解決されないままで、街頭でもナチスと共産主義者との抗争が目にされるような時代だった。しかし、しばらくベルリンを去り、パリやミュンヒェンで過ごしていたヘッセルは、目の前にある同時代のベルリンを描写すると同時に、そこに、歴史の層も見出す。 ヘッセルは、みずからが同時代の都市を見る際の態度を「学ぶ」と呼んでいる。このとき彼の叙述は、それまでの慣習に反するような新しい現象に対して価値判断を下すのではなく、それらをニュートラルなまなざしで受け止めるものになっている。 また、ヘッセルが目の前の都市のなかに歴史的重層性を見る際の態度も、やはり「学ぶ」と呼べるものである。だがここでは、それが書物に依拠しているという意味では、「読む」とも呼べる。彼は決して、歴史を既成事実としてとらえているのではなく、そのつどの都市の風景を眼前にして、そこから浮かび上がる歴史を叙述している。 ヘッセルは、ベルリンという都市がまだまだ発見されていない、見られていない、と結論づけているが、それはつまり、ベルリンに住む住民が、いまだに自身が何者であるかを知らない、ということでもある。一見、温和な叙述に見えるヘッセルの都市論であるが、そこには、この都市の住民とはどんな存在なのか、という大きな問いが含まれている。 以上のことを、論考としてまとめ、今後発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヘッセルの都市論を中心に考察を進めたが、同時並行的に、シェフラー等のベルリン論についての読解や、1920年代ベルリンの社会状況についての調査も進め、ヘッセルの都市論を多角的にとらえることができた。
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今後の研究の推進方策 |
ハンス・オストヴァルトの著作の読解を進めると同時に、1920年代ベルリンの社会状況を、文学作品・歴史書等から多角的にとらえる予定である。時代潮流をとらえるさまざまな視点(アヴァンギャルド、ナチスの台頭、貧困、政治的抗争の激化等)と、その他の大都市から見たベルリンという、二つの次元で、ベルリンを多角的にとらえてゆく予定である。
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