研究課題
基盤研究(C)
多元化し複数化する現代世界で「翻訳」は重要な役割を担っており様々な方面から研究が進んでいるが、本研究では特に「翻訳」の文学における芸術性や創造性に注目する。「翻訳の詩学」と呼ばれるケベックで生まれた翻訳論を拠り所に、仏語圏におけるジャック.ブローやナンシー・ヒューストンなどを中心に、自ら翻訳実践を行い、それを自らの創作活動に転化し、他者への迂回による自己相対化や自己翻訳による文体の錬磨など独自の美学的効果や創造的変容を生みだしている作家の作品を具体的かつ詳細に検証し、世界文学の変容を促す「翻訳」ならびに言語越境性の芸術性や創造性を明らかにする。