研究課題
基盤研究(C)
「神への信愛は美的経験をもたらし得るか」演劇論・詩論の大家アビナヴァグプタ(10世紀)は「信愛(bhakti)は美的経験(rasa)ではない」と結論し、その後の文芸論に大きな影響を与えた。しかし中世後期以降多様な美的経験論が発達する中で、全ての思想家がこの結論に賛同したわけではなかった。本研究ではアビナヴァグプタに反論し「信愛は美的経験であり得る」と主張した13世紀の思想家ヴォーパデーヴァ、へーマードリに焦点を当て、これまであまり注目されなかった10世紀以降の文芸論の発展過程を明らかにする。