研究課題
基盤研究(C)
千一夜物語(別名アラビアンナイト)と深い関わりをもつアラビア語物語集である百一夜物語には、女の奸智や狡猾さが際立つ一方、それに騙され、取り乱す男の愚かさが示される物語が2つ収録されている。1つは物語集全体の外枠となる枠物語で、もう1つは「王子と七人の大臣の物語」である。本課題では、枠物語の解釈を基に「王子と七人の大臣の物語」におけるミソジニー的要素およびミサンドリー的な要素の抽出・分析により、これら両性の対比を明らかにする。次に、女の奸智や狡猾さはイスラーム的なジェンダー解釈との関連を追求する。また、百一夜物語のアラビア語写本および校訂本を精査し、テクストの真正性を担保する。