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名詞句移動に課せられる反局所性条件の比較統語論研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K00473
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関山形大学

研究代表者

高橋 真彦  山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (30709209)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード反局所性 / フェイズの転送 / 例外的格標示 / 長距離名詞句移動 / 名詞句移動 / 格付与
研究開始時の研究の概要

本研究は、名詞句移動に課せられる反局所性条件の経験的・理論的な位置付けを、比較統語論的に考察する。3年間で3つの課題に取り組む。まず令和5年度には、節内の名詞句移動に焦点を当て、反局所性条件の定義及び定義の精緻化に関連すると思われる現象を検討する。令和6年度には、定型節を超える名詞句移動に考察の対象を拡大し、条件の更なる精緻化を行う。そして最終年度となる令和7年度には、条件の理論的な説明を試みる。

研究実績の概要

今年度は、節境界を超えて適用される名詞句移動が補文標識の種類によって制限されるという観察を取り上げ、フェイズの転送理論 (Saito 2017) と反局所性 (Abels 2003) の観点から説明を試みた。まず、主節動詞が選択する補文標識句 (CP) の主要部が「か」である(ようにみえる)場合、(1)補文主語の目的語位置への移動(RtO)/補文主語への例外的格標示(ECM) が不可能であるが、(2)補文主語から主節主語位置への移動(raising-to-subject (RtS)) は可能である、という非対称性の存在を確認した。その上で、この非対称性がフェイズの転送理論と反局所性の相互作用から導出できるか検討した。提案された分析は以下のとおりである:(1)主節動詞が選択する補文標識句 (CP) の主要部が「か」のように見える場合でも、「か」は必ず格助詞の投射(KP)に直接支配されている、(2)格助詞は独立してKPを投射しフェイズを形成する。この分析によれば、「か」が主要部となるCPフェイズはKPフェイズに直接支配される。フェイズの転送理論によれば、KPフェイズが完成した段階でCPフェイズが転送されるため、CPフェイズ内の補文主語はKPフェイズの端に移動することになる。このとき、ラベル付けの観点から、補文主語はKPフェイズの端に留まることはできない。しかし、KPフェイズの端から動詞句(VP)内への移動は反局所性条件によって阻止される。これにより、主節動詞が選択する補文標識句 (CP) の主要部が「か」である(ようにみえる)場合RtO/ECMが不可能であるという観察が捉えられる。一方、KPフェイズの端から時制句(TP)領域への補文主語の移動は反局所性条件に阻止されない。これにより、補文主語の長距離名詞句移動が可能であるという観察が捉えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

主要な観察及び理論的な分析の見通しが立ち、研究発表の見通しが立ったため。

今後の研究の推進方策

研究成果を学会や研究会で報告し、評価を受ける。論文を投稿し査読を受ける。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Phasal transfer and anti-locality: Movement of noun phrases in Japanese2024

    • 著者名/発表者名
      Masahiko Takahashi
    • 学会等名
      第2回統語論・意味論・言語獲得論ワークショップ (Comparative Syntax, Semantics, and Language Acquisition #2)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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