研究課題/領域番号 |
23K00477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
水沼 修 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (10795438)
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研究分担者 |
川口 裕司 東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (20204703)
黒沢 直俊 東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (80195586)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ポルトガル語 / フランス語 / ロマンス語学 / 話し言葉コーパス / 歴史言語学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、第1に、ロマンス諸語、主にポルトガル語を対象とする歴史的な口語研究の基盤を可能な限り確立することであり、第2に、そのための研究資料となり得るテクストを網羅的に洗い出し、将来における多角的な分析の基礎となるような資料体を構築することである。近年、現代語を対象としたこの方面の研究では口語コーパスの構築や語用論、会話分析など様々な角度から行われ、史的研究分野でも資料的制約は残るものの、書簡や裁判記録、取調調書などを研究対象とした新たな展開が見られる。本研究では、従来から用いられてきた資料体を視点を変えて分析することにより口語の反映を見ようとするところに特色がある。
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研究実績の概要 |
本プロジェクトは,ロマンス諸語、主にポルトガル語を対象とする歴史的な口語研究の基盤を可能な限り確立し,将来における多角的な分析の基礎となるような資料体を構築を目指すものである.本プロジェクトの対象となるのは,ポルトガル語における13世紀から18世紀頃までの散文物語作品にみられる直接話法を中心とした会話部分であるが,本年度は,パイロット的な調査として,13世紀の聖杯物語群テクストであるDemanda do Santo Graal,および,14世紀に作成されたとされるHorto do Esposoの2つのテクストについて,それぞれ会話部分を抽出し分析を試みた.なお,これらの研究成果については,日本ロマンス語学会および日本ポルトガルブラジル学会で口頭発表を行っており,また,論文等の発表も準備しているところである.これと並行して,コーパスの構築に必要な,各時代を典型的に代表すると思われるテクストの検討を行った.また本プロジェクトでは,聖杯物語群の会話部分に関する古仏語と古ポルトガル語の対照コーパスを構築することも目指しており,そのための準備も行われた.また,語用論的観点からの質的・量的分析を念頭におき,言語特徴や表現レベルでの調査対象項目について精査した.前述の2つのテクストについては,質的評価プログラムソフトを利用した分析を進めているところであり,次年度以降,分析対象とするテクストを随時増やしていき,コーパスを構築するとともに,過去の言語使用の慣習がどのような時代とともにどのように変化したのかを記述を試みようと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
パイロット的な調査として,13世紀の聖杯物語群テクストであるDemanda do Santo Graal,および,14世紀に作成されたとされるHorto do Esposoの2つのテクストについて,それぞれ会話部分を抽出し,質的評価プログラムソフトを利用した分析を進めている.コーパスの構築に必要な,各時代を典型的に代表すると思われるテクストの検討を行い,ある程度候補が絞られた.,語用論的観点からの質的・量的分析に向けた調査対象項目についての検討を行ったが,これについてはまだ精査の余地がある.本年度は,諸事情によりポルトガル やフランスでの現地調査や現地研究者との打ち合わせを行うことができなかったため,次年度はこれらを通じ,より多角的視点に基づいた調査を進めていきたい.
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今後の研究の推進方策 |
本プロジェクトの対象となるポルトガル語における13世紀から18世紀頃までの散文テクストを選定し,コーパス化を進めていく.次年度は13世紀から15世紀にかけてのテクストを中心に作業を行う予定である.コーパス化に際し,古ポルトガル語や古仏語に精通した研究者たちに協力を仰ぎ,作業の正確性および効率を高めていきたい.これらのテクストの直接話法を中心とした会話部分について,質的評価プログラムソフトを利用し分析を行う。また,現代語に関する先行研究から話し言葉テクスト特有の現象を可視化 し、演劇テクストなどとの対照評価を行い,成果を国内学会で発表する予定である。また,ポルトガルやフランス国立図 書館等での調査や、現地研究者との意見交換も積極的に行っていきたい.
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