研究課題/領域番号 |
23K00486
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
八木 堅二 国士舘大学, 政経学部, 准教授 (60771102)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 中国語方言 / 言語地理学 / 音声音韻 / 類型地理論 |
研究開始時の研究の概要 |
1~2年目は言語地理学的研究のデータ入力と基礎的な分析を主とし、データ分析を終えたものから順次発表・論文化する。予備的・基礎的なフィールドワークも行う。 3~4年目は類型地理論的データ分析等の基礎的な作業は継続しながら、すでに基礎分析を終えた項目の発展的検討と音韻・文法・語彙項目の総合的検討を本格的に進めていく。また、言語地理学的観点から得られた知見を裏付ける臨地調査を活発化させる。この期間に国内外の研究者を招いた学術交流検討会を持ちたい。 5年目を中心に研究の総括を行うとともに、確認のための補充調査や理論的検討を強化する。さらに今後の研究の展開を見据えた予備的調査なども行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、中国語史の構築および世界言語史の中の中国語の位置付けの解明に寄与するため、言語地理学的な手法を中心としながら文献学的研究とフィールドワークの手法も用いて中国語方言形成における音韻・文法・語彙の関係性を明らかにしていくことを目指す本年度は兄弟姉妹、接辞、数詞(1~10まで)の中国語方言における分布と変遷の詳細を明らかにするべく、データ収集、入力、分析などを行った。2024年三月にウェブ開催形式で行われた「中国語言歴史地理研究論壇2024」においては遠藤光暁・橋本貴子・鈴木史己・野原将揮・鈴木博之とともに中国語方言とチベット語方言における数詞の分布を描き、その音韻変化について分析を行った。同会合では中国を中心とした言語地理学的研究や歴史言語学的研究に関する発表が多く行われ、最新の研究動向を知ることができ有益であった。中国現地における言語調査は難しい状況が続いているが、日本国内において類型論的に重要な文法項目を中心とした標準語の音声収集を行うことができたため、今後の方言音声分析実施に際して参考としたい。方言音声コーパスの構築は目下の課題であるが、幸い次年度に中国海南島で調査を実施できる見込みとなったため、ビン語を中心として周辺の少数民族言語の音声についても収集できればと思う。近年中国においても言語地理学的研究が隆盛となってきているが、適切な分析を行うためには着実にデータを収集することが重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データの入力については、漢字語形、IPA、声調等いくつかの段階に分けて実施しているが、本年度は特にIPAの入力について力を入れて行った。フィールドワークについては本来中国本土において実施する予定であったが、近年の状況を鑑み実施を見送り、日本において予備的な調査を行った。また参照用として標準語の音声データの収集と整理を行った。
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今後の研究の推進方策 |
24年度の夏にはようやく中国に渡航しての調査が可能となる見込みであり、海南ビン語と周辺言語の調査を実施したいと考えている。中国における調査実施の可能性について状況判断しながら、周辺諸国における調査についても計画を進めたい。また言語地理学的研究においては兄弟姉妹のIPA入力や植物語彙や接辞の分析などを行う予定である。言語地理学的研究を軸に文法関連の項目のデータ入力などについても引き続き行うとともに、理論的な観点についても考察を深めて行きたい。
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