研究課題/領域番号 |
23K00490
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
篠原 靖明 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (10732737)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 日本語ピッチアクセント / 音声知覚 / Sine-wave speech / Noise vocoding / サイン波音声 / ノイズ |
研究開始時の研究の概要 |
日本語にはピッチアクセントと呼ばれる音声の特徴が存在する。例えば「雨」と「飴」が別の語として認識されるのは、ピッチアクセントが異なるからである。ピッチアクセントの差異は主に基本周波数によって聞き分けられているが、日本語話者は他にも音の強弱や長さの違いを使ってそれを識別している。本研究では、ピッチアクセントがどのように知覚されているのか、実証的に調査する。
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研究実績の概要 |
本研究では、日本語話者が雨と飴の対にみられるようなピッチアクセントを知覚する際、どのような音響要素を用いているのか明確化することを目的としている。研究を行うにあたり、自然録音音声(NatRec)、サイン波音声(SWS)、ノイズボーコード化したサイン波音声 (NzVocSWS)の3種類の音声を準備し、それぞれの条件下における日本語話者のピッチアクセント知覚を調査した。自然録音音声では、ピッチアクセントの識別をすることが容易であったのに対し、基本周波数を含まないサイン波音声ではその識別能力が低下した。一方、そのサイン波音声をノイズボーコード化することで、日本語話者は音の強弱や長短といった音響要素を用いてピッチアクセントの識別をする傾向があることがわかった。音の強弱や長短といった音響要素を用いてピッチアクセントの識別力が向上するというのは、先行研究では得られなかった結果であり、これにより、日本語話者はピッチアクセントを識別する際、聞こえてくる音声(NatRec, SWS, NzVocSWS)に応じて、使用する音響要素を柔軟に変更する傾向があることがわかった。 2023年度には、上記データ分析を行い、これら結果を国際学会で発表した。また研究成果を論文にまとめ、国際ジャーナルへ投稿した。今後は、国際ジャーナルからの論文出版に向けて編集を続けるとともに、本研究をさらに発展させ、サイン波音声を用いた知覚能力に関する言語間での比較研究も遂行する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2023年度は、研究代表者の在外研究期間であったため、本研究は当初の計画以上に進んで遂行することができた。本課題で目的としていたデータの分析を終え、代表者は学会にて研究成果の発表を行った。さらに論文を執筆し、国際ジャーナルへ提出をした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本研究をさらに深化させ、単語のみではなく文単位のサイン波音声の知覚に関して、調査を実施する予定である。2024年度は先行研究を行い、共同研究者と相談の上、実験方法の詳細を決定し、データ収集を行う。本研究を国際共同研究にすることで、言語間比較を視野に入れながら実験を遂行し、国際的に普及力のある研究へと発展させる。
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