研究課題/領域番号 |
23K00492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
大西 正幸 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (10299711)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ベンガル語 / 記述文法 / テキスト集 / 音象徴 / 南アジア言語学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ベンガル語の近現代文学と口承文芸のデータをもとに、標準ベンガル語の記述文法を作成することを目的とする。 研究代表者は、これまで、現地研究協力者とのフィールド調査と文学研究を通じて、ベンガル語の口承文芸データの収集・分析と、近現代文学作品の音象徴に関するテキストコーパスの構築を行ってきた。 本研究では、これらのデータを最大限に生かしながら、近年の類型論的研究と音象徴研究の成果を盛り込んだ包括的な記述文法とそれに付随するテキスト集を完成し、ベンガル文化研究、南アジア言語学、さらには言語類型論・記述言語学研究に貢献することを目指す。
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研究実績の概要 |
初年度(2023年度)は、代表の大西が東京およびインドに出張し、国内外の研究協力者との間で研究計画の打ち合わせや情報・資料収集を行なった。 国内では、東京に4度にわたって出張、研究協力者奥田由香・西岡直樹氏と記述文法やテキスト集に関する打ち合わせを行なった。奥田氏からは、主に記述文法に関する日本側の資料と情報を収集した。また、西岡直樹氏・めこん社の協力で、本科研の近現代文学テキスト集の中核となる短編を収めた『タゴール12の物語』の出版作業を進めた。歴史学者の中里成章氏(東京大学名誉教授)や文化人類学者の外川昌彦氏(東京外国語大学AA研教授)からも、今後の研究計画に関連するさまざまな情報の収集を行なった。 また大西は2023年10月から11月にかけてインドに出張し、海外研究協力者のDurga Datta氏、Pabitra Sarkar教授、Dinesh Ray氏と、これまでに収集した研究資料の整理と今後の研究計画打ち合わせを行なった。特に、Pabitra Sarkar教授とは文法に関する、またDurga Datta氏、Dinesh Ray氏とは口承テキスト集に関する、これまでに蓄積された資料の整理を行なった。Durga Datta氏とDinesh Ray氏には、本科研を進めるにあたって必要な、パソコン・マイクロフォン等の器材の提供を行なった。 このインド出張の際、大西は、コルカタの書店やVisva-Bharati大学タゴール研究センター・大学出版局から科研関連の印刷物の資料を、またDurga Datta氏の故郷であるバンクラ県ビボルダ村周辺では口承文芸の調査と追加資料の収集を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内外の主要な研究協力者とともに、これまでに蓄積されたベンガル語記述文法とテキスト集作成に関連する資料を整理するとともに、次年度以降の研究計画を共有することができた。また、東京出張とインド出張を通して、今後の研究に必要な新たな資料・情報を収集することができた。 成果物の中では、近現代文学テキスト集の中核となる『タゴール12の物語』の翻訳と解説執筆が、奥田由香氏・西岡直樹氏・Durga Datta氏の協力を得て順調に進んでいる。さらに、同テキスト集に含む予定の、サタジット・レイの回想記、およびベンガル語近代文学作品の翻訳連載が、日印文化交流センターとめこん社のHPにおいて、順調に継続している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、最初の成果物『タゴール12の物語』の出版と、それに関連の講演が予定されている。また、この年から、研究協力者児玉望教授(熊本大学)・長田俊樹名誉教授(総合地球環境学研究所)・Pabitra Sarkar教授のアドバイスの下、記述文法のこれまでに書かれた章の拡充と新たな章の執筆を本格的に進めると同時に、奥田由香氏・西岡直樹氏・Durga Datta氏・Dinesh Ray氏の協力の下、テキスト集に掲載予定の近現代文学および口承文芸作品の整理・編集を開始する。 これらの作業は2025年度にも継続して行い、同年度末をメドに、日本語による記述文法と近現代文学・口承テキスト集の完成を目指す。 最終年度は、英語による記述文法の完成を目指す。
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