研究課題/領域番号 |
23K00498
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
守屋 哲治 金沢大学, 学校教育系, 教授 (40220090)
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研究分担者 |
堀江 薫 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (70181526)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 複文構造 / 言語類型論 / 日本語 / 韓国語 / 中国語 / 認知類型論 / 英語学習者 / 主観性 / 認知言語学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、母語における名詞修飾節に関する特徴が、言語習得にどのように影響を与えるのかに関する一般化を行い、その一般化に基づいてさらに、認知言語学で論じられてきた主観性の違いが名詞修飾節の習得にどのように反映されているかを明らかにしようとするものである。 名詞修飾節という構造の習得を手掛かりとして、通言語的な主観性の問題に新たな視点を提供しようとする研究である。
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研究実績の概要 |
研究代表者は、学習者コーパスを利用して、日本語・中国語・韓国語母語話者の英語複文構造の使用状況を調査した。特に、従属接続詞、接続副詞の使用頻度、誤用の頻度などについて調査を行い、現在、傾向を整理している。いまのところ、日本語母語話者の接続詞の誤用について、韓国語や中国語の母語話者よりも、複文構造を前提とした接続詞が単文構造の中で用いられるというような傾向が見てとれる。個々の接続詞の使用頻度についても、かなり語によってばらつきがあり、各言語の母語話者によって多く用いる接続詞が異なる傾向が見てとれる。このことが、各言語の母語の複文構造の性質の違いに由来するものなのか、あるいは各言語の接続詞の性質の違いに由来するものなのかについてさらに調査を行っている。 また、日本語のモダリティ表現の発達と、複文構造から単文構造へ変化する、単文化の傾向との関係を調査することにより、日本語の複文構造の特徴を通時的にとらえる視点を得ようとしている。特に、近世の日本語の迂言的的モダリティの発達において、複文構造を単文構造に変えるような複合辞化が伴って起こっており、このような変化が日本語の複文構造と単文構造の境界線の曖昧化にどのようにつながっているかについて、検討している。 研究分担者は、日本語・韓国語・中国語の複文構造を語用論的な観点から対照し、その機能的差異を明らかにすることで、それぞれの母語の持つ特徴が英語の学習にどのように影響を与えているかを考察する基礎的な知見を得ようとしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者、研究分担者がそれぞれの観点から、日本語・韓国語・中国語の複文構造のデータ分析を進めており、研究代表者はその成果の一部について国際言語学者会議への発表応募を行って現在採択結果の通知を待っている状態であり、研究分担者については、International Pragmatics AssociationおよびInternational Cognitive Linguisti Conferenceにおいて口頭発表を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度以降は、研究代表者・研究分担者が収集・分析しているデータを第二言語習得との関連で説明する方向で研究を進める。特に、日本語・韓国語・中国語が持つ複文構造に関する言語的特性の違い、特に単文構造と複文構造の連続性の度合いの違いが、英語の複文構造の習得に及ぼす影響を特に言語類型論的要因と学習者の認知的要因から明らかにしていく。
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