研究課題
基盤研究(C)
中国語音韻史の中心課題の一つである、いわゆる上古音は、その後の時代に比べ資料が断片的かつ膨大であることもあって、従来様々な仮説が立てられてきた。しかし、議論が多岐にわたるため、その全体像を理解することはもちろん、個別の推定音価からその根拠を想起することすら、それなりに訓練を積んだ者であってもなかなか困難で、そのことが研究の大きな妨げになっている現状がある。本課題はとくに上古音の学術史を整理し、研究基盤を構築することを目的とする。今回は特に、①諸家の諧声系列、②諸家の上古推定音、③対音・非漢語資料および出土資料の整理を行い、それらを④構築済の上古・中古音データベース群と接続することに注力する。