研究課題/領域番号 |
23K00503
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
盛田 有貴 奈良女子大学, 人文科学系, 助教 (70845239)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | ことばのアイロニー / 帰属性 / アイロニー発話 / 認知語用論 / 関連性理論 / 解離的態度 / 発話解釈 / アイロニー / コミュニケーション / 帰属的使用 |
研究開始時の研究の概要 |
ことばのアイロニーの有力な先行研究の1つにWilson (2009)がある。Wilsonは帰属性、話し手の帰属元への乖離的態度の表明を定義特性として挙げている。しかし、話し手が2つの定義特性を満たす発話を行なっても、誤解のように話し手の意図と聞き手の解釈が一致しない場合や、聞き手により感じ方が異なる理由を説明することができない。このような実態を踏まえ、本研究では、アイロニーのカテゴリ内に含まれる事例の全てが均質ではないという立場に立ち、話し手ではなく、聞き手の視点から、どのような要素がアイロニー理解にかかわるかについて明らかにすることを目的とする。
|
研究実績の概要 |
ことばのアイロニーの有力な先行研究の1つにWilson (2009)がある。Wilsonは帰属性、話し手の帰属元への乖離的態度の表明を定義特性として挙げている。しかし、話し手が2つの定義特性を満たす発話を行なっても、誤解のように話し手の意図と聞き手の解釈が一致しない場合や、 聞き手により感じ方が異なる理由を説明することができない。このような実態を踏まえ、本研究では、アイロニーのカテゴリ内に含まれる事例 の全てが均質ではないという立場に立ち、話し手ではなく、聞き手の視点から、どのような要素がアイロニー理解にかかわるかについて明らかにすることを目的とする。 2023年度は、データを収集し、収集したデータから、ことばのアイロニーの理解に貢献する可能性のある要素を抽出し、仮説を立てた。会話データは、これまで収集したものと新規に収集したものを合わせて用いることとした。データは、特定の先行研究の定義に依拠せず、会話から話し手がアイロニーを意図し、聞き手がアイロニーとして解釈していると確認可能な例を用いることとした。2024年度実施予定のアンケート調査では、各例について英語母語話者にアイロニーであるかどうかを尋ねるため、今年度は、アイロニーか他の現象であるか曖昧なものも含めて広くデータを収集した。収集したデータから、聞き手の発話解釈について、データ間に共通点が見られるものについてグループ化を行い、アンケート実施に向け準備が整いつつある段階である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ことばのアイロニーは決まった表現形式がなく、コーパスを用いた検索が難しいため、データ収集に時間を要する。当初の計画よりも数が収集できていないことから上記の判断とした。
|
今後の研究の推進方策 |
収集したデータから立てた仮説のうち、アイロニー発話に後続する発話が、先行するアイロニー発話に与える影響について2024年9月のアメリカ語用論学会 (AMPRA)で口頭発表を行う予定である。
|