研究課題
基盤研究(C)
研究代表者はこれまで、中国語の「流水文」と呼ばれる構造に着目した研究を行ってきた。中国語の書き言葉では複雑な「文」を作る際に、従属節構造を取るのではなく、節を並列的に連続させていく形でそれを形成している。従来の「複雑な文」の分析方法は、欧米言語を基礎にして作られたものが応用されていたが、新たな観点から中国語の「複雑な文」の修辞的構造を解明できた。これまでの研究は、共時的研究であったが、このような「文」の修辞的な構造は歴史的に発展してきたものである。本研究では、中国語と日本語における小説言語の「複雑な文」の形成方法、節の連鎖のさせかたが、どのような歴史的経緯で形成されたのかを明らかにする。