研究課題/領域番号 |
23K00534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
西田 文信 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (40364905)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | East Bodish / 記述言語学 / 危機言語 / ドキュメンテーション / チベット・ビルマ語派 / 歴史言語学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ブータン王国の諸言語の中でもその重要性にもかかわらず、世界的に見ても先行研究の少ないマンデビ語(Mangdebikha: シナ=チベット語族、チベットビルマ語派、東チベット語群)を中心としたEast Bodish諸語について、言語文化に関して儀礼、動物相(fauna)・植物相(flora)、民具・農具の語彙形式を含めた多面的且つ包括的なドキュメンテーションを行うことを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究課題の初年度である2023年度は、コロナ禍後初めてブータン王国にて現地調査を行うことができた。トンサ県で話されているマンデビ語(ISO 639-3 neh)及びブムタン県にて話されているブムタン語(ISO 639-3 kjz)について、2024年3月に調査を行うことができた。今回は、主に動植物語彙の音声・音韻論・形態論・社会言語学的調査を行ったが、特にブムタン語については植物語彙の多くの語彙形式を収集することができ、今後植物学的な分類を経て、歴史言語学の枠組みで音変化・意味変化について考察を深める予定である。研究がまとまった時点で学会にて口頭発表を行う。 マンデビ語についてはから2023年6月から2024年2月まで継続的に月に一回程度のオンライン調査も行い、談話資料の収集を進めてきた。こちらについては、隣地調査の際に補充調査を行い、分析の修正を行うことができた。 また、2024年3月にタイ王国に在住するブロカット語(ISO 639-3 bro)話者に協力をあおぎ、基礎語彙の確認調査と特に音韻変化に関する語彙形式の同定に関する調査を行うことができた。当該言語の話されている地域での調査の困難により、この形での調査を行った。 研究成果としては、口頭発表を3件(ゾンカ語(ISO 639-3 dzo)の辞典編纂に関するもの、ブータン諸語の数詞の20進法から10進法への変化に関するもの、ブロカット語の社会言語学的考察)を行った他、論文を2本(広東語(ISO 639-3 yue)の動詞連続に関するもの、ゾンカ語語彙に関するもの)を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画当初より予定していたブータン王国及びタイ王国での臨地調査を行うことができた。研究代表者の家庭の事情で現地滞在期間が限られてしまったが、滞在時間を最大限に活用して調査を行うことができた。2024年度もブータン王国での臨地調査を実施する予定であるが、困難な場合はオンライン調査や当該母語話者を招聘する等代替手段を考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も1回ブータン王国での隣地調査を行う予定である。調査言語としてはマンデビ語、ブムタン語、ブロカット語等を想定している。 今年度はイタリア(European Association for Chinese Linguistics)で探検家資料と言語研究の発表予定)での学会発表を予定している。その他の学会における口頭発表も計画している。 また、これまで収集した未整理の資料を整理することにより、ひきつづき各言語形式の同定作業も継続する。結果がまとまれば、論文投稿,成果論集の出版などにより成果公開を進める。
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