研究課題/領域番号 |
23K00541
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
川野 靖子 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (00364159)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2027年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 格体制 / 交替現象 / 動詞 / 意味役割 / 格体制の交替現象 / 歴史的変化 / 壁塗り代換 |
研究開始時の研究の概要 |
「グラスに水が満ちる/グラスが水で満ちる」のような格体制の交替現象については、現代語を対象に多くの研究がなされているが、通時的な観点からの研究はほとんど見られない。本研究では、当該現象の歴史的変化とその要因を明らかにするための基礎的研究として、個々の動詞について、上代~近現代における使用状況を調査し、変化の有無や変化の時期の記述、変化の要因の分析を行う。
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研究実績の概要 |
日本語には、「グラスに水が満ちる」「グラスが水で満ちる」のような格体制の交替現象が見られる。この現象については従来、筆者自身の研究も含めて、現代語を対象に多くの研究がなされてきたが、通時的な観点からの研究はほとんどなされていない。現代語において「満ちる」をはじめとする一部の動詞は格体制の交替を起こすが、では、過去の日本語においてはどうだったのだろうか。仮に、かつては交替を起こさなかった動詞が途中から交替を起こす動詞に変化したのだとしたら、それはいつ頃、どのように変化したのであり、その変化の背景には何があったのだろうか。これらの問題を明らかにするための基礎的研究として、本研究では、個々の動詞の上代~近現代における使用状況の調査・分析を行う。 本年度は、自動詞「満つ(満ちる)」と他動詞「満つ(満たす)」を調査した。筆者のこれまでの調査により、少なくとも中世までは、基本的に位置変化用法の用例(現代語でいう「グラスに水が満ちる」のような用例)しか見られないことが分かったため、明治・大正期に焦点を当て、雑誌を資料として調査を行った。その結果、明治・大正期の当該資料には状態変化用法の用例(現代語でいう「グラスが水で満ちる」や「彼は自信に満ちている」のような用例)がまとまった数見られること、状態変化用法の文型に現代語とほぼ同様のバリエーションが見られること、文型間の意味的な使い分けも現代語の状況とほぼ重なること等が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
近世と明治・大正期の調査を行う予定だったが、明治・大正期の用例の調査と分析に時間を要し、近世については調査を十分に進めることができなかった。よって「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の調査により、自動詞「満つ(満ちる)」と他動詞「満つ(満たす)」における状態変化用法の獲得時期は、近世~明治初期に絞られることが明らかになったため、この時期の資料を増やして調査・分析を進めていく。
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