研究課題/領域番号 |
23K00543
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
宮本 淳子 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10849087)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 日本語学 / 書記史 / 書学書道史 / 漢字 / 仮名 / 入木道 / 書記意識 / 書流 / 日本語史 |
研究開始時の研究の概要 |
①国文学研究資料館田安文庫蔵の入木道伝書を対象とした予備的調査から,持明院基定(1607-1667)の「書記意識」に関わる記述を見出している。これら伝書類がどのように形成されたかに関しては、日本史、和歌史からも指摘があり、それらを踏まえ、さらに日本語学的立場からの検証をすすめていく。中世から近世にかけての和歌の表記実態の分析も併行的に実施し,実態とどの程度重なり合い,或いは相違するかも検証していく。 ②入木道に関わる先行研究のうち,日本史研究、和歌史研究などの論文を読み、その成果(入木の家を中心としたネットワークの解明、伝書が拡大の背景に関する指摘)をふまえ伝書の伝承先や具体的影響を考察する。
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研究実績の概要 |
本研究は①日本語学から入木道伝書の内容を検証し,人々がどのように文字・表記に関わる内容を捉えてきたのか,「書記意識」の変化を観察すること,②伝書の生成,伝播の過程など,受容実態について明らかにすることを目的とする。本研究で掲げた上記2点の研究課題における本年度実績は以下の通りである。 1)入木道伝書諸本,近世の書記実態に関する資料収集・調査:国文学研究資料館,慶應大学付属研究所斯道文庫,東京国立博物館,国立国会図書館などの都内資料館,及び西尾市岩瀬文庫(愛知県西尾市),徳川美術館(愛知県名古屋市),島根県立図書館(島根県松江市),松江歴史館(島根県松江市)など都外の資料館・歴史館に直接赴き,調査,撮影を実施した。調査で得られた情報をもとに重要と判断された資料から順にデータ化し,日本語学の立場からの検証(異体仮名,漢字,補助符号の使用分布の算出,対照表を作成) を進めた。 2)入木道伝書の記述検討及び論文化:入木道伝書の記述を中心に比較検討をすすめた。調査の結果,複数の入木道伝書に通ずる伝承内容が認められた。とりわけ勅撰集や古典作品の書写に関する記述内容については,時代を超え,脈々と受け継がれている事項が存することも明らかとなった。古今和歌集の書式の変遷,歌学書との関係,成果の一端を論文化し『書学書道史研究』に投稿した(2023年10月掲載 査読有)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた調査先のうち仙台市博物館など,幾つかの博物館,資料館は修復工事中で,調査を実施できず,次年度に見送ることとなった。しかし,都内調査や他の調査によっても研究の基盤となる資料が得られたため,データの整理を優先し,分析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,仙台市博物館が大規模工事を終え再開館している。6月以降,宮城県図書館伊達文庫及び,東北大学附属図書館狩野文庫,真田記念館と併せて赴き,調査を実施する予定である。得られた結果をもとに伝書内容の検討を順次行う。9月以降は,受容に関する研究の検討を行い,教訓書,筆道書への影響関係も調査していく。
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