研究課題/領域番号 |
23K00554
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山下 真里 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (80756411)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2027年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 異体字 / 別字 / 正字 / 俗字 |
研究開始時の研究の概要 |
「弔」と「吊」は、現在は別字として使用されているが、明治時代には「弔」が正字、「吊」が俗字という異体字の関係にあり、別字ではなかった。このように、もとは異体字の関係にあったが、現在は別字となっている漢字は他にも複数存在する。本研究では「弔」と「吊」、「準」と「准」、「裏」と「裡」を対象として異体字が別字化(これには使用に傾向がある状態も含む)していく過程を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、もとは異体字の関係にあった漢字が別字となる過程を明らかにし、その要因を考察することである。令和5年度は「弔」と「吊」を対象として研究を行なった。具体的には、主に明治時代の書籍と官報を対象として「弔」と「吊」の使用状況を調査し、別字化の過程とその要因について考察した。 まず、4月~8月は、6名の作家による書籍で1915年までに刊行され、国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できるものを対象として「弔」と「吊」の使用状況を調査し、別字化の過程について考察した。その結果、1800年代には「とむらう」という意味でも「つる」という意味でも「吊」字が使用される傾向があること、1900年代以降は「とむらう」という意味の場合、「弔」字の使用が増加し「吊」字は見られなくなること、それに対して「つる」という意味では一貫して「吊」字が使用されることが明らかになった。このことから、別字化の契機は、「とむらう」意の場合に「弔」字の使用が増加したことおよび「つる」意の場合に「吊」字の使用が継続したことにあると考えた。この内容は、第73回西日本国語国文学会で口頭発表した。 次に10月以降は1900年までに刊行された官報を対象として「弔」と「吊」の使用状況を調査した。その結果、書籍の場合と同様に、調査資料の中でも初期のものについては「とむらう」意の場合に「吊」字が見られるが、のちに「弔」字へ移り変わること、「つる」意の場合には一貫して「吊」字が使用されることが明らかになった。この結果と書籍での調査結果を総合し、「弔」と「吊」が別字となった過程およびその要因について考察を行った。この結果は、第297回筑紫日本語研究会で口頭発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定通り、書籍における「弔」「吊」の使用状況を明らかにし、別字化の過程を考察できたことに加え、当初は予定していなかった官報を対象とした調査を行うこともできたためである。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、「準」と「准」を対象とした調査を開始する予定である。具体的には、「準」と「准」が現代日本語でどのように使い分けられているのかを明らかにするため、現代日本語書き言葉均衡コーパスによる調査を行なう予定である。また、日本における使い分けの歴史的変遷を明らかにするために節用集、国語辞典、漢和辞典など辞書類の調査を行う予定である。 当初は予定していなかったが、令和6年度も引き続き「弔」と「吊」に関する調査を行なう予定である。令和5年度の調査から、「つる」意の漢字表記について、「釣」から「吊」へと移り変わったことがわかってきた。「弔」と「吊」の別字化には「つる」意の漢字表記の変化がかかわっている可能性も考えられる。この点についてさらに検討するため、江戸時代および明治・大正時代の資料を対象として「つる」意の漢字表記について調査し、別字化の要因についての考察を行ないたいと考えている。
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