研究課題/領域番号 |
23K00557
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
久保薗 愛 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (80706771)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 方言史 / 鹿児島方言 / 日本語史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はこれまでの日本語史研究には不十分だった「歴史記述の対照」という観点を取り入れることで,中央語史中心であった日本語史研究を複線的・相対的に捉え直すことを目指すものである。まず,主軸となる鹿児島方言を対象として,近世期から現代に至るまでの方言史の記述を行う。その上で中央語及びそれ以外の地域の方言史との間で同一の文法カテゴリの比較対照を行う。そこから共通点や相違点を見出し,その変化が生じた(生じなかった)要因を探る。あり得た別の歴史を描くことで日本語史の新たなバリエーションの提示を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は,鹿児島方言史の再構築を主軸としつつ,他の方言史と対照することで多様な日本語史の記述を行い,方言の歴史的変化の要因の解明を目指すものである。このような複数の方言史の比較・対照を行うためには,複数の文献を扱うことになり,またよく知られた既存の方言文献だけでなく新出の資料にも目を配ることになる。個々の文献は,さまざまな資料性(著者の属性・資料の成立過程・筆録態度など)を持っており,それぞれ異なった性質を持つ文献をひとしなみに扱うこと、ひいてはその言語現象を一律に扱うことはできず,当然個々の文献の性質を検討したうえで言語現象の分析に進まなければならない。 そこで,今年度は今後進める言語現象の分析の基盤となる作業として,いくつかの方言文献の書誌調査や資料性の検討を中心に行った。それらの研究成果のうち,1件を取り上げて口頭発表を行った。 (1)口頭発表:久保薗愛(2023)「方言文献としての『藥師瑠璃光如來本願功徳經 直読訓點 完』について」岡山大学国語国文学会,オンライン開催,2023年12月 また,さまざまな方言文献に基づく史的研究を展開するためには,改めてこれまでに行われてきた方言史研究の整理や方法論の検討を行う必要が出てきた。そこで、方言史研究の展望と課題も含めて方法論の整理を行った研究論文を発表した。 (2)研究論文:久保薗愛(2023)「文献に基づく方言研究の方法」『方言の研究』第9巻,日本方言研究会
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在は資料性の検討など基礎的な作業を進めているが,鹿児島方言を反映する文献や談話資料を対象とした用例調査も順調に行っている。また,当初予定していた東日本の文献を対象とした用例調査も継続している。研究成果としては方言史そのものの記述はまだ発表できていないが,それは方言文献として活用できそうな文献の存在が確認でき,研究成果としてそちらを優先的に公表したためである。方言史の記述研究がやや遅れているが,許容範囲内といえる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き方言文献および方言談話を対象とした用例収集と分析を進める。それとともに現代の話者を対象とした調査の準備を行い,実際に調査を行う。また,資料性の検討が終了し次第,文献とのつきあわせを行う。
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