研究課題/領域番号 |
23K00569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
田中 弥生 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, プロジェクト非常勤研究員 (90462811)
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研究分担者 |
柏野 和佳子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 准教授 (50311147)
加藤 祥 目白大学, 外国語学部, 専任講師 (40623004)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 修辞機能 / 脱文脈度 / 文体的特徴 / 分類指標 / テキスト分析 / 談話分析 / コーパス / 書き言葉 / 文体 / 脱文脈 |
研究開始時の研究の概要 |
テキストが専門的だ、子供向けだ、硬い、軟らかい、などと感じるのは何によるものか。例えば語彙による場合もあれば、文末表現や終助詞の使い方による場合も考えられる。本研究では、それらの文体的特徴の脱文脈度合いとの関わりを検討する。ここでの「文脈度」はコミュニケーションの現場「いま・ここ・わたし」への依存度合いを指し、「ぼくうれしい!」は脱文脈度が低く、「うれしいとき人は笑顔になる」は脱文脈度が高い。この脱文脈度は修辞機能分析の分類手順によって確認できる。本研究では、専門性などの文体的特徴がすでに付与されたデータを対象に、修辞機能分析によって脱文脈度を確認し、文体的特徴と脱文脈度合いの相関を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、修辞機能と脱文脈度の観点からの談話分析の一環で、文章に対して人手によって付与された文体的特徴の分類と、文章に特徴的な言語表現の関係を、修辞機能と脱文脈度の観点から検討するものである。分析には、「修辞機能分析」の分類法を用いる。「修辞機能分析」は、選択体系機能言語理論の枠組みによる英語談話分析手法Rhetorical Unit Analysisを日本語に適用した「修辞ユニット分析」を、日本語文法の枠組みで検討し直した分類法である。本研究課題より前に、職場談話、高齢者の談話、家庭での親子の談話などのさまざまな会話データや、児童作文、高齢者の小作文などの分析を行なってきたが、書籍データの分析は本課題が初めてである。そのため、従来のアノテーション基準では判断が難しい点が生じ、必要に応じて検討した。 初年度である2023年度は、まず分析対象とするデータを確認して整理した。『現代日本語書き言葉均衡コーパス』の図書館サブコーパスでは、文体的特徴の分類が人手によって付与されているサンプルがある。そこで、従来から本分類法のアノテーションに従事している作業者によってそれらのデータにアノテーションを行っている。 書籍サンプルの特徴や、付与されている文体的特徴ごとの性質を確認できるよう、パイロットスタディとして一部のデータを分析し、その結果について、言語資源ワークショップ2023、および社会言語科学会第48回研究大会においてポスター発表を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度である本年度は、分析対象とするデータを整理して、選定を行なった。また、一部データにアノテーションを行い、パイロットスタディとして分析し、学会などにてポスター発表を行なった。これらについては計画通りに進んでいる。本研究では書き言葉コーパスに収録されている書籍サンプルのデータを分析対象とするため、アノテーションを進める中で、従来の手順について検討が必要な箇所があることがわかった。初年度に、分類手順書の改訂を予定していたが、それらの検討箇所の整理が十分進んでおらず、分類手順書の改訂には至らなかった。このことから、進捗を「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2年目となる2024年度には、初年度に明らかになった書籍データの分類のための検討項目を整理して、手順書を整える。また、分析対象データを増やして、パイロットスタディで明らかになったことの検証を行う。
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