研究課題/領域番号 |
23K00584
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
|
研究機関 | 松山大学 |
研究代表者 |
神谷 厚徳 松山大学, 経営学部, 教授 (60511160)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 呼気群 / 意義群 / リスニング / ポーズ / 呼吸 |
研究開始時の研究の概要 |
英語話者の発話を観察すると、意義群ではなく息のまとまりとなる「呼気群」を単位として発話していることに気付く。英語においても日本語においても呼気群を発話単位としており、アクセントやイントネーションもこの呼気群を基底として生じる。日本語と英語では呼気群の区切り方(息継ぎの箇所)が大きく異なっており、この違いが日本人学習者の英語リスニング習得の障壁になっていると考えられる。本研究では、英語リスニングの要となる呼気群について解明し、呼気群に沿った日本人学習者向けの英語リスニング教材を開発する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、英語の意義群と呼気群は必ずしも一致しないという予測のもと、呼気群について解明することを目指している。 令和5年度では、1)文献調査、2)導入語・中継ぎ語・付け足し付属語の抽出、3)教材分析、のそれぞれを実施した。 1)文献調査では、本研究に関連する先行研究、および用語について整理した。特に、①呼吸間隔、②呼吸のタイミング、③呼吸方法、④呼気群と意義群、の用語について明確にした。さらに日本語話者の息継ぎ箇所、日本人が頻繁に使用するグロータルストップ、日本語の表記上の特徴、俳句や短歌に見られる現象、アンティシペーションの作用などについて纏めた。 2)導入語・中継ぎ語・付け足し付属語の抽出では、BNCコーパスを用いて頻出する導入語・中継ぎ語・付け足し付属語を明らかにした。これらの頻出する導入語・中継ぎ語・付け足し付属語を実験材料として、次年度以降に音声実験を予定している。1つの呼気群の中で、息継ぎをせずに続けて発話される導入語・中継ぎ語・付け足し付属語がどの程度の頻度で発生するのか調べる予定である。 3)教材分析では、市販のリスニング教材『究極のイギリス英語リスニング Deluxe』で収録されている英語について分析を行った。英語を呼気群に分割した際に、その単位が意義群とは異なっていることを具体的に示したものである。なお、詳細な考察については、学術論文集『英語教育音声学』に投稿し、掲載済みである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、国内において日本人英語学習者および英語母語話者を被験者とした音声実験を実施し、データを収集する予定であった。しかし数名の被験者を対象とした予備実験において、実験材料が不適切であることが判明したため、本研究分野の第1人者でもある研究協力者と協議の上、実験手法を見直すこととなった。 一方で、令和6年以降に予定していた、教材分析を実施し、考察結果を纏めたものを学術論文集『英語教育音声学』に投稿し、掲載されることとなった。したがって、現在までの進捗状況は、全体としては、おおむね順調に進展していると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、音声実験を通して呼気群について考察する。具体的には、英語母語話者および日本人英語学習者を対象とした英文朗読の音声を録音し、息継ぎの箇所、サウンドスペクトログラムをもとに英文を呼気群へと分割していく。英語母語話者と日本人英語学習者の英語の呼気群を比較することで、英文朗読における呼気群について明らかにしていく。本実験は、まずは国内の大学で予備調査として実施する。日本人英語学習者は筆者の勤務先の学生、英語母語話者は筆者の勤務先の同僚である英語母語話者および研究協力者の元勤務先の外国人教師に対して実施する予定である。また、研究協力者の推薦により、オーストラリアの複数の大学において実地調査も予定している。これらの結果については、国内外の学会での発表、論文投稿などを通じて発信していく予定である。
|