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「大併合」操作に基づく量化に関する比較統語論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K00589
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02080:英語学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

宮本 陽一  大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 教授 (50301271)

研究分担者 前田 雅子  九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (00708571)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード生成文法 / 大併合 / クレフト構文 / 多重焦点 / 等位接続詞 / FormCopy / 島の効果 / MERGE / 付加構造 / 普遍文法
研究開始時の研究の概要

生成文法の枠組みにおいては「移動現象」を扱う研究が理論の発展を牽引してきた。ここで「移動」の有無を確かめる手段として広く採用されてきたのが「島の効果」である。ところが近年、移動が関与していると思われる構文において、この島の効果が見られない場合が報告されている。本研究では、Chomsky (2017)が提唱する大併合(MERGE)に基づくミニマリストプログラムの枠組みにおいて、「島の効果」を示さない場合について、先行研究の問題点を指摘し、その統語的な特性を明らかにした上で、新たな付加構造構築のメカニズム及びその操作に係る条件を提唱する。

研究実績の概要

今年度は、日本語のクレフト構文における多重焦点の構造について検討した。Takano (2020)において、多重焦点は[X, Y]の構造を持つと主張されているが、この構造からはXとYが相互にc-commandできることになる。しかし、XもしくはYに照応形が含まれる場合、XがYに含まれる照応形の先行詞にはなれるが、Xに含まれる照応形の先行詞にYがなることはできない。つまり、XがYをc-commandする構造になっており、[X, Y]構造は維持できないことを意味する。
このXとYの非対称性を捉えるために、Chomsky (2013)に従い、[Conj(unction) [X, Y]]構造からXが上昇移動を起こし、[X Conj [<X>, Y]構造を形成すると主張する。この移動の結果、XはYをc-commandする一方、YはXをc-commandできないことになる。この分析は日本語に非顕在的な等位接続詞が存在することを示唆するものであり、意味的側面から日本語における非顕在的な等位接続詞の存在を示唆したMitrovic and Sauerland (2016)を支持するものである。
さらに、本分析のもと多重焦点に関する言語間差異についても検討を開始した。英語で多重焦点が容認されない事実について、Boskovic (2008, 2009, 2012)が提唱するDP言語とNP言語の構造的な差異から、DP言語である英語においては[Conj [X, Y]]の構造が相(phase)を形成するとし、XとYがそれぞれの元位置にあるXとYをc-commandできず、元位置のXとYがコピーと見做されず問題が生じると考える。
クレフト構文に加えて、分担研究者である前田雅子氏は日本語のsyntactic amalgamについて統語分析を行い、引用句に関わる併合の特性を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

日本語のクレフト構文における多重焦点について、データ整理を終え、分析の方向性も確立できた。すでに言語間差異について分析を開始しており、初年度としては計画以上に進展したと考える。

今後の研究の推進方策

今後、分析の精密化ならびにデータ(多言語における多重焦点化)の幅を広げていく予定である。また、理論的帰結についてもさらに詰めていく。なお、初年度の研究成果については国際学会に応募する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 日本語のSyntactic Amalgam2024

    • 著者名/発表者名
      前田雅子・瀧田健介・中村太一
    • 雑誌名

      福岡言語学会50周年記念論文集(The Fukuoka Linguistic Circle 50th Anniversary Memorial Essay Collection)

      巻: - ページ: 107-120

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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